内容説明
バリー賞2018年度最優秀作品
父を狩る。生き延びるために。
映画化決定!
「才気迸る、出色のスリラー!」 ニューヨーク・タイムズ紙
「父への娘の愛憎が物語をより力強くしている」 パブリッシャーズ・ウィークリー誌
「鳥肌が立つほどの衝撃のクライマックス!」 カリン・スローター
拉致監禁犯の男とその被害者のあいだにできた娘――それがわたしだ。原野の沼地で生き抜く術を熟知した父を太陽のように崇めながら、12歳まで電気も水道もない小屋で育った。そう、あの日までは。そして今日、終身刑の父が看守を殺して逃走した。父を捕まえられる人間がいるとしたら、父から手ほどきを受けたわたし以外にいない。父と娘の緊迫の心理戦、究極のサバイバルゲームがいま始まる!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
344
イマイチ。出版社の宣伝スキルにしてやられた。カリンスローターが「鳥肌が立つほどの衝撃のクライマックス!」といったらしいが、ソレ何頁のどこのこと? 父娘のサバイバルを推しているが、現代パートは、自宅からプラっと車で出て、途中で森に入ってすぐに父ちゃん見つかって、ちょっとバトってもう終了。あらすじにあるような心理戦も、期待するような沼生活で得た知恵の応用もない。たったそれだけの話の合間に、ヘレナの子供時代の回想が、倍以上のボリュームで細かく挟まれてくるので、とにかく間延びしてのめり込めなかった。2019/04/25
のぶ
99
ストーリーがシンプルなのに加え、余分な部分をそぎ落としてある文章だが、その分内容が凝縮され、とても面白い作品に仕上がっていた。主人公は、拉致監禁犯の男とその被害者の間にできた娘ヘレナ。父は終身刑で服役していたが、看守を殺して逃走した。父を捕まえられる人間は自分しかいないと自覚したヘレナは、父と闘う決心を決める。本書はそのサバイバルを描いた物語だった。本文はヘレナの一人称で描かれていて、その行動と心情が良く伝わって来て、スリルを盛り立てている。本筋の良さだけでなく、自然の描写も素晴らしい傑作だと思う。2019/03/09
honyomuhito
78
個人的に最近では群を抜く胸糞系小説だ。誘拐が監禁が虐待がというよりも、暴力に支配されながら強制的にそれを頼って生きるしかない環境におかれる人間の尊厳を損なわれるさまが胸糞なのだ。強いて言えば父親が見間違えようのないクズで悪魔だったところ救いだろうか。実はお前を愛していたがゆえなんだよ、とか言われたらさらに許せない。フィクションだからでは済まないこの胸糞悪さは、私が最近の実際の出来事と無意識に置き換えて読んでいたからなのかもしれない。https://chirakattahondana.com/沼の王の娘/2019/07/21
★Masako★
71
★★★✰︎☆ 少女の時に誘拐監禁された母と犯人の間に生まれた娘、ヘレナ。何も知らず、12歳になるまで無人の沼地で3人で暮らしていたが、ある事がきっかけで母と逃走、犯人(父)は捕まり終身刑となった。10数年後その父が刑務所から脱走、ヘレナは家族を守る為に父を捕まえる決意をする。現在と沼地での生活の回想シーンを交互に書くことで、今のヘレナの父への思い…愛と畏怖、尊敬、憎悪等、複雑な感情が上手く表れていた。緊張感漂う父とのサバイバルゲーム!そして、犬はやっぱり愛すべき存在♪【図書館本】2023/07/24
星落秋風五丈原
58
これあえてこの構成にしてるんだろうけど現在のサスペンスを盛り上げたかったんなら、過去話を一つにまとめて、あと追跡劇にすればよかったんじゃないかなぁ。現在の話がもりあがらないんだよね。一人称語りなのでヒロインの感情が入って来るし。2019/04/11
-
- 電子書籍
- 山手線ひとり夜ごはん