内容説明
これは一人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては偉大な跳躍だ――1969年、ニール・アームストロングはアポロ11号で月への第一歩を記す。着陸50周年記念、死の記述までを加えた新編
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
MICK KICHI
83
ムーンウォーカー、ニール・アームストロング船長の人生、クライマックスの月面着陸から、後半の人生を綴る。緊迫感に包まれた着陸〜帰還までは、何れも困難なミッションの連続で息がつけない。当然不安や恐怖がありながら、冷静に対処し乗り越える態度に共感する。そして後半生においても、名声に溺れず、助力を惜しまない彼の高潔な人柄に深く感銘を受けた。希有な存在だからこそ、偉業を達成し、真の英雄足り得たのだと確信させられた。1969年幼少の頃、微か見た覚えがある彼の人生に改めて触れる素晴らしい読書体験だった。2019/02/17
kinkin
80
訓練を積んだニールがオルドリン、コリンズとともに月へ向かい、月に着陸、月からの帰還、帰還後の様々な出来事等が書かれている。いくら訓練を積んだとはいえ私には奇跡のミッションだったと思う。科学や技術というものが発達したとしてそれを扱う人及び心は、制御できるものではない。まさに人の勝利だ。数千に及ぶスイッチや計器、なにより未知の領域で行動を行った彼らの業績は素晴らしい。ニールをはじめ彼らは完璧な人間と思われがちだがやはり苦悩や葛藤に悩まされた普通の人間。ニールも2012年亡くなる。偉大な生涯だったと思う。2019/04/25
ヘラジカ
49
前半は月面着陸と離陸の緊迫感ある描写。失敗する可能性が高いタスクがどれだけ多かったことか。そしてその中の大半は失敗=死であったのだ。如何にミッション全体が悲劇と隣り合わせであったかが分かる。それだけにこの計画が、地球に無事帰還できたことも含めて、比べるもののない程の偉業であるかも理解できた。後半は主にニール・アームストロングの第二の人生を追っているが、こちらも明るい面ばかりとは言えないながら非常に読み応えがある。アームストロングの生涯を通じて宇宙開発の歴史を学べる良書。終わり方は掛け値無しに素晴らしい。2019/01/25
キミ兄
6
上巻に続いてオルドリンのイジメが凄い(笑)ウィキペディアによれば本当は表に出たがらない人だったのに無理に表に出ることになって月から帰ってきて心を病んだとあるが、認知欲求をコントロールできない人だったのか。ただニール自身もプロジェクトのパーツの一部だったわけで、それに対して世間の英雄扱いが余りにアンバランスだったということはあるだろう。彼のことを宇宙飛行士とは呼んでも冒険家という人はいないからな。☆☆☆☆。2019/05/30
てっちゃん
5
アポロ11号の月面着陸には、幾つもの知られざるドラマがあったんだね。常に冷静沈着なアームストロングを船長に選んだNASAも凄い。実に面白いノンフィクションだった。2019/02/18