内容説明
歌舞伎俳優・四代目市川猿之助の骨董コレクションを、自身のエッセイとともにまとめた一冊。はじめて買った川喜田半泥子の茶碗やぶち割ってしまった魯山人の徳利、巡業先で求めた唐津茶碗など、思い入れのある品々を写真家・みなもと忠之氏が新規撮影。楽屋で自ら茶筅を振るい、茶を喫する姿も収録。舞台上とは違った四代目市川猿之助の一面を、読者のみなさまにご紹介します。『なごみ』2012年~2013年の連載に加筆して単行本化。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しゃが
34
A5判の1ページに一個の骨董品の写真があり、美しく贅沢な一冊だった。猿之助さんが役者絵の蒐集家と聞いていたが、徳利 盃 茶碗などの器にも惹かれておられたとは…。添えられた文章も飾りすぎず、大人の語彙で綴られ、それでいてウィットに富んでいた。骨董品もすばらしいが、楽屋の選ばれた品々の調和の無駄のなさにも見入ってしまった。ちょっとした美術展にいったような感覚になった。食器、日常品などの生活骨董を普段使いしている私は、ハレのような高揚感とケの癒しを同時に味わった。 2017/02/01
ぐっちー
15
隙間時間でもサクっと読める。洒脱な文章といい感じの写真。猿之助さんの骨董への愛と、金銭面での七転八倒が相まって可笑しい。2016/02/19
今夜は眠れない
8
身の回りの品々のエッセイ。骨董を普段使いして癒しとする。愛しい器タチとの日々が軽妙に綴られ流石は猿之助。2016/08/19
慧の眼
5
猿之助さんによる味わい深い「骨董」を巡るエッセイ。私物写真も贅沢だ。浮世絵熱から、骨董へと移った興味、時に愛憎ないまぜになりながらも惹きつけられてやまない心模様を、骨董商との縁や、真摯に歌舞伎へ取り組む日常の一コマや洞察と併せ綴られる。良いエッセイだった。伝統芸能に心身を捧げるがゆえに忙殺されながらも、器を育てるべく一服の茶、一杯の酒を愛でる時を持ち、自身と、器を介して、その物の経てきた悠久の時や作者の心、歴代所有者たちと向きあう・・・、そんな数寄者にちょこっと憧れた。2016/05/20
しびぞう
5
この人の文章は本当に読ませる。この多才ぶりは時機を待たずとも国宝級だ。結構な数のコレクションの写真が掲載されていて、ああやはりそこまで手を出したか、という納得の一品もあって見ごたえがあった。こういう文化人がいるからこそ残る美術品があるので、これからもいろいろな方向に血道をあげてほしい。2016/03/12
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