内容説明
博学多識で日本をこよなく愛した、懐日家川柳人による“台湾初”の川柳句集。
台湾川柳会二代目会長で台湾川柳作家の巨匠・李琢玉(本名・テイ璋)氏による、現代日本で忘れられた美しい日本語でせつせつと訴える日本への郷愁と批判、リアリティ溢れる作品群。編者は全日本川柳協会会長(当時)の今川乱魚氏。序文・跋文には蔡焜燦氏(台北市李登輝友の会会長:当時)、頼柏絃氏(台湾川柳会三代目会長:当時)、黄智慧氏(台湾中央研究院員民族学研究所助手:当時)、日本からは川柳作家の村田倫也氏、山本由宇呆氏が文章を寄せている。
また頼天河氏(台湾川柳会初代会長)、医師で台湾歌壇を主宰、俳人でもある同会会員の呉建堂氏の文章も掲載。電子版の監修者は台湾川柳会四代目代表・杜青春氏。
台湾に日本文化という客土
酔い痴れてろれつ怪しきわらべ唄
自分史に戒厳という負のページ
一生に国籍三つとは非情
エノケンの悲しげな顔思い出し
強かったニッポン 埒もないニホン
過ぎ去った国の旨さを握り寿司
李登輝の長い顔タイワンの顔
ウイルスのようなラ抜き語カタカナ語
ニホン語を知らぬ孫にもネンコロリ
目次
序
台湾初の川柳句集出版を祝って
序にかえて
李琢玉川柳句集 酔牛
お の れ
こ の 国
嘗ての国
世 相
跋
台湾で受け継がれる川柳
台湾を代言するポストコロニアル柳人― 恩師李琢玉先生を偲ぶ ―
李テイ璋さんのこと
知リアッタバカリデ亡クナッタタイワンノ大伯父様ヘ
台湾川柳会二周年記念誌より(一九九六年八月)
川柳との縁
自 伝
川柳会発足の話に飛びつく
あとがき
あとがき(電子版の出版にあたって)