内容説明
個性の塊のような親友に導かれての『日常生活の冒険』。自らの意志でむこう側へ行ってしまった友―義兄の映画監督との関係を描き、著者に「私の一生の中で、最も大切な三作のひとつであると思います」と言わしめた『取り替え子(チェンジリング)』。滑稽かつ悲惨な老年の冒険をつうじて、死んだ母親と去った友人の「真実」を探す『憂い顔の童子』。魂に真の和解はあるのか?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
OHNO Hiroshi
4
「日常生活の冒険」友人の死、それ以後、その死んだ友人は自分とともに生き始める。 「取り替え子 チェンジリング」 ”もしあなたが死んでも、私がもう一度生んであげるから、大丈夫。” 「憂い顔の童子」 途中で読むのを断念。2019/07/03
ブルーツ・リー
1
大江健三郎の小説に置いて「コギー」という人物が、繰り返し描かれている。 それは森の隠遁者だったり、カルト宗教の指導者だったり、ともかくも、四国の山奥に置いて、何某かの知識的な事や「魂のこと」を行う人物として描かれている。 どうも、自分はこの「コギー」という存在自体が、四国の民話などではなくて、大江健三郎の創作なのではないかと思っていたのだが、この本によって、自らの分身にも「長江古義人」という、コギトの名前を関した事によって、どうも、私の説の正しさが裏付けられたように思われる。デカルトのコギトに関係するか。2023/11/12
長岡崇
0
取り替え子のみ2023/03/23