内容説明
理系の教科のすべてに共通することであろうが、現在の高等学校の教科書で扱うことを許されている内容は、理系の大学の講義に求められる内容と比べて、水準の点で著しい隔たりがある。「高校語」を後でひとつ一つ正式な学術用語へ翻訳するのも、大学における理系の講義の1つの役割である。本書は、大学の生物学教育の役割の1つがそのような翻訳にあることを、常に念頭に置きつつ書かれた教科書である。一方、当然ながら、大学の生物学の講義には、1日も早く高校教育の後始末を終えて、日夜蓄積しつつある新しい知見を紹介しなければならない使命がある。そのような大学教育本来の使命をも十分に念頭において、この本を書いた。
目次
1 分子からみた細胞
2 分子からみた代謝とエネルギー
3 分子からみた遺伝情報
4 分子からみた発生現象
5 分子からみた情報伝達
6 分子からみた生命の歴史