内容説明
百歳を超えた今でも筆をとり、制作に励む孤高の美術家、篠田桃紅。その墨を使った独特の作品は、世界中から注目されている。「人の成熟はだんだん衰えていくところにあるのかもしれない」「人生、やり尽くすことはできない。いつもなにかを残している」。老境に入ってもなお、若さに媚びず現役を貫く、その強い姿勢から紡がれる珠玉のエッセイ集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
モリー
48
水墨画でありながらモダンで抽象画のような絵を描く篠田桃紅さんとはどんな方なのだろうか。そんな好奇心からこの本を手に取った。「私は私」という生き方を貫き通していることに強く惹かれる。好きなことだけして生きていくことは普通の人には難しい。それをするには、人に頼らず生活することが必要だからだ。その才能を人に認められなければならないと言い換えることも出来るだろう。その点に関してはお墨付きの御仁である。ところで、表紙に掲載されたご本人の姿をどうご覧になるだろうか。凛とした姿が生き様を感じさせる。様子がいい人である。2024/08/12
りるふぃー
12
ちょっとの間、読書から遠ざかっていた私のざわついた心を鎮めるかのように、桃紅さんの文章は私に染みこんで、読書の楽しさを満喫させてくれました。明治、大正、昭和初期生まれの方は、戦争という地獄を体験していると同時に、戦前の、失われた宝物のような時代をも生きてきている。その記憶や情景や音は、100歳を越えても鮮やかに蘇るらしい。むしろ、年を重ねるほど、意識が過去と繋がりやすくなっていくのだろうか。戦前の話がたくさん書いてあり、憧れました。 2021/04/22
ハル
1
⭐⭐2019/07/08
Koco
0
内容はとても良い。100歳を超えてなお矍鑠とされていて、シンプルで柔らかい文体に人柄が見え隠れする。内容は。と限ったのは、編集者の伝えたい気持ちがゴリ押されているような抜き出し。読み手に好きに読み取らせてくださいよ。と、心底思った。それはさておき。後半は過去のエッセイの加筆修正。言葉の選び方が綺麗。心の持ち用が平坦で、謙虚でいることが美しいことなんだと感じる。趣味は朝寝坊と夜更かしはお茶目で可愛い。別荘で見た富士山が見せる色合いの変化、「ときを惜しむ」という表現にぐっときた。2021/05/18
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