内容説明
戦後、GHQが恐れ禁書にした名著が復刻! 希代の碩学が、明治維新前夜に生まれた大東亜思想から、世界史における日本の存在意義、東洋・西洋の対立史までを紐解くと同時に、知られざる欧米の侵略史や国際連盟の欺瞞などを鋭く突く。戦後の西欧史観ではなく、日本やアジアから見た世界史がここにある! 欧米に植え付けられ中韓に利用されてきた戦後史観を排すための最良のテキスト。戦後レジームからの脱却を目指す、いまこそ読むべき一冊!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
templecity
6
戦前の思想家が欧米からアジアの解放を念頭に置いていたことが良くわかる。中国と闘っているのも欧米列強が来ている中、薩長で争っているようなもの。アジア同士が手を組んで解放することを一貫して唱えている。また、欧米では神が白人(アングロサクソン)にのみ権利を授け、それ以外の人種は奴隷となるというような教えであった。日露戦争で日本が勝った時、インドやトルコなどは歓喜だったことも想像できる。戦前は自信に満ちた日本であったが、戦後すっかり洗脳されてしまった。 2019/01/08
Ohe Hiroyuki
2
大東亜戦争下において、著者が各地で行ってきた「大東亜」についての講演録をまとめた一冊である。▼本書は、思想の吟味だけでなく、政治論の吟味もできる興味深い内容となっている。▼思想としては、ひたすら「東洋対西洋」の対立軸をベースに書かれている。だからこそ日華事変やインドの反日感情に苦言が呈されている。▼本書の後半には、コラム集が多く記さ、当時の時事も見ることができる。「大東亜」という思想は、国内世論を喚起させることはできても、国際社会を生き抜くことはできなかった。我が国の歩みを考えるにも必読の一冊。2019/09/08
肉欲棒太郎
1
大東亜共栄圏の建設は、アジア的規模において行われる「第二維新」であり、中国とインドと日本を合わせた「三国魂」の客観化・具体化であるとのこと。世界史を東洋vs西洋の視点から捉えた『亜細亜・欧羅巴・日本』は面白い。大川は日露戦争の世界史的意義を繰り返し強調しており、興味深かった。戦前の右翼は今と違いアジア主義なので、大川もアジア人同士で争うに至った日中戦争を憂い、日本と中国は団結して米英と闘えと扇動している。2019/01/03