内容説明
文学に精進しつつ95歳の天寿をまっとうした作家が、その生涯に敬愛し、私淑した文士たちの風貌と姿勢を生き生きと描出する。鴎外、漱石、志賀直哉から小林秀雄、田中貢太郎、太宰治、中野重治ら30余名。講談社名著シリーズ版『風貌・姿勢』に拠る、作家・文士の風貌と個性を見事に活写した随筆集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
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速読★5.読了日は概算。井伏氏が関わった作家達の感想を纏めたもの。特に太宰治のものが多く、共通の知人尾崎一雄氏の項に太宰の名作『斜陽』の元ネタとなった貴婦人(太田静子)の日記と、彼女への印税の支払いの取り決めについて記した個所が目から鱗。太宰の死後、身籠った太田静子から印税の半分を要求されたが、恐らく生前に交わした月1万円(現在で50万円位?)の養育費条件の要求か。尾崎宅の近くに住む彼女へ井伏や伊馬らが訪問し交渉に当たった。太宰への恨みはなく子供を楽しみにしている姿が印象的。(記:2024年8月5日)2001/04/04
白川
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井伏は長生きで偉い2025/08/02
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通読1★5.2024/08/07
フリウリ
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「ぼくは太宰の作品も好きであるが、人となりをまだ好きであった。太宰は小説が書ける。ぼくは小説の書ける人が好きだ」p119。井伏鱒二は無類の小説好きである。小説を書くのは人である。ゆえに、小説を書ける人が好きになる。太宰だけでない。例えば正宗白鳥、森鴎外。岩野泡鳴、梶井基次郎、中野重治。すぐれた小説を書く人を尊敬し、その秘密を井伏なりに探究する。その「小説オタク」ぶりに、アタシは感動する。本書の幾編かは福武文庫の「文士の風貌」に収載されていたと思う。小説好きにとっては、読み応えのある、尊い本である。92022/11/11
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