内容説明
シリーズ第九弾は、その名の通り砂漠等に生息するサバクトビバッタ。時に普段目にする緑色ではなく黒色に姿を変え、大発生・大移動して農作物に被害を与え、黒い悪魔と恐れられたこのバッタとの壮絶な戦いを、著者の成長の過程とともに紹介する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
keroppi
57
「バッタを倒しにアフリカへ」の前作。ずっと学術的で専門用語もいっぱいなのだが、著者の探究心とバッタ愛に惹き込まれた。滑稽とも見える研究を繰り返し、サバクトビバッタの生態を解明していく。この一途さは、羨ましくもある。2018/04/07
トムトム
51
前野さん、ちゃんと研究してるじゃない!こちらの本も「バッタを倒しに…」同様、研究職を目指す少年少女に読んでほしい本です。アイディアをひらめいて、どうやって実験したらよくて、つっこまれそうな箇所をつぶしてと、研究者さんの苦労が見えます。それにしても、素人の私が読んでも理解できる研究内容。何が専門用語で何が一般的な言葉かをしっかり区別されている前野さん。天才だ!2019/09/25
Akito Yoshiue
32
「バッタを倒しにアフリカへ」がものすごく面白かったのでこちらも購入。専門的な内容も多いのだが興味深く読めるのは、筆者の文章のおかげだと思う。とても面白かったです。2017/07/28
ntahima
28
【県図28】『バッタを倒しにアフリカへ』の前日譚。従って、主な舞台はモーリタニアの砂漠ではなく、虫々蒸せる実験室である。<フィールドの生物学>の一環として出版された為か『バッタ倒し』に比べると心もち専門的。砂漠編から読んだ方が良いかも知れない。あとがきで『(前略)再会を誓い、アフリカヘ旅立った。ふがいないことにこの本を書いている時点で、来年以降収入の見込みはまったくない。いい年してなんということだ。帰るに帰れない…。』とある。但し、アフリカから時を遡って来た読者である私は著者の輝かしい未来を知っている。笑2017/07/18
NORI
26
本書は「バッタを倒しにアフリカへ」よりもずっと学術的。どう研究デザインして、どんな結果が得られたのか、マニアックに、しかし素人にも分かりやすく解説。 研究者として食っていけるか分からない。でも、生活のために論文を書くのではなく、本当に知りたいことを研究したい。だから「やりたいことをやって、笑顔で路頭に迷おうと開き直った」という部分には感銘を受けた。不安いっぱい。でも自分で選んだ道。それが険しいものであっても胸を張って生きて行こう。この覚悟が自分が納得できる人生に必要だ。ふと、又吉直樹「火花」を思い出した。2024/08/06
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