あしながおじさん

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あしながおじさん

  • ISBN:9784255010908

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内容説明

「すてきなことがおこりました。あててみる?でもあたりっこない!」

100年以上にわたって世界中で読みつがれてきた名作が、詩人・谷川俊太郎氏の訳と
安野光雅氏の絵によって新たな感動とともに誕生しました。

孤児院でけなげに暮らすジュディは、ある日顔の知らない裕福な紳士の目に止まり、奨学金をもらって大学進学を果たします。
ジュディに課された条件は、かならず毎月おじさまへの手紙を書くこと――。

孤独だった少女が持ち前の明るさと想像力をもって、たくましく才能を開花させていく様子は、
時代をとわず読む人のこころを掴んで離しません。

読んだことのある方も、読んだ気になっていた!という方も。
ふてくされたり、調子に乗ったり、落ち込んだり、大喜びしたりと表情豊かなジュディの手紙を、
ぜひ受け取ってみてください。

◎総ルビになっていますので、小学1年生から読むことができます。
◎本シリーズの見どころであるカラーイラストを多数収録。


著者について
作:ジーン・ウェブスター
(Jane Webster)
1876年、ニューヨーク州フリードニア生まれ。大学では英文学と経済学を学ぶ。在学中に社会事業に関心を持ち、孤児院などを訪問、文筆活動に入る。
父は出版社経営。母はマーク・トウェインの姪。
結婚して、翌年に女児を出産するがその直後、産褥熱により39歳の若さで他界する。
代表作は、『あしながおじさん』『続あしながおじさん』。

訳:谷川俊太郎(たにかわ しゅんたろう)
1931年東京生まれ。詩人。1952年第一詩集『二十億光年の孤独』を刊行。
1962年「月火水木金土日の歌」で第4回日本レコード大賞作詞賞、1975年『マザー・グースのうた』で日本翻訳文化賞、1982年『日々の地図』で第34回読売文学賞、1993年『世間知ラズ』で第1回萩原朔太郎賞、
2010年『トロムソコラージュ』で第1回鮎川信夫賞など、受賞・著書多数。詩作のほか、絵本、エッセイ、翻訳、脚本、
作詞など幅広く作品を発表、世界各国で翻訳されている。
最新刊は、ディック・ブルーナ装画による詩集『バウムクーヘン』。

絵:安野光雅(あんの みつまさ)
1926年、島根県津和野町に生まれる。BIB金のリンゴ賞(チェコスロバキア)、国際アンデルセン賞などを受賞。
1988年紫綬褒章、2008年菊池寛賞、他を受賞。2012年、文化功労者に選ばれる。
主な著作に『ふしぎなえ』「『旅の絵本』シリーズ(全8巻)」(福音館書店)、『本を読む』(山川出版社)、『小さな家のローラ』(小社刊)などがある。
2001年、津和野町に「安野光雅美術館」、2017年、京丹後市の和久傳の森に「森の中の家 安野光雅館」が開館。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

chimako

97
楽しかった~ ものすごいおしゃべりの女の子ジュディが篤志家の支援を受けて孤児院から大学へ進学する。その篤志家に手紙を書くことを条件に。篤志家は名を明かさずジュディは彼を「あしながおじさん」と呼ぶ。孤児院で育った事を上手く隠しながら、はじめて友だちが出来、学ぶ楽しさを覚え、やがて恋をする。読者はジュディの大学の4年間の学生生活のあれやこれやをあしながおじさんへの手紙で知ることになる。外国文学にありがちなドキッとする言葉や谷川さんならではだろう失礼を物ともしない物言い。結末は知っているのにドキドキだったよ。2020/07/12

吉田あや

66
谷川さんによる翻訳は余分な修飾が削ぎ落され、すっきりと整理されたおかげでとても読みやすい。人生がどんどんと輝きを増し、踊るような心地で日々を暮らすジュディの心情に、谷川さんの詩人としての才が存分に生かされ、心地よい韻やテンポで流れる文章の心地よさを味わった。そこに添えられる安野さんの絵の素晴らしさも言わずもがなで、ユーモアに溢れたコラージュ作品も多く、新しい時代へと変わろうとしているサリーたちの時代を感じさせてくれる。(⇒)2020/04/26

アナーキー靴下

65
お気に入りの方のレビューに惹かれ、図書館で探すと谷川俊太郎訳、安野光雅絵の本書があったのでこちらを。読む楽しみを味わえる傑作! 子供の頃に要約版のようなものを読んだきりなので他と比較はできないが、ジュディの手紙という形で進行するこの物語に、いきいきとした訳がとても良いように思う。ところで子供の頃の私は自己主張の強すぎるジュディがあまり好きではなかった。ジュディのみじめさもよくわからなかったし、特に慈善箱の服に対する感情がほとんど理解できなかった。だからこそジュディは私の心の中にずっといてくれたように思う。2024/07/26

アキ

63
谷川俊太郎訳、安野光雅絵という豪華コンビで昨年出版されたアメリカ文学の古典。両親を亡くし孤児院で過ごすジュディから援助してもらっているあしながおじさんへの手紙がメイン。マーク・トウェインと血縁関係がある著者のいわゆる「語り」が主の文学作品。ジュディの17歳から21歳までの女性の最も変化の大きい時期の成長の軌跡が生き生きと描かれている。ちょっと順調すぎる気もするが、あしながおじさんからの言葉は一切なく、それだけで見事に物語を完結させている。資本主義が中心でカルヴァン主義の国ならではの価値観が感じられる。2019/07/16

ネギっ子gen

50
詩人・谷川俊太郎の訳で、安野光雅の表紙絵は“のっぽ”のおじさんの身長を測る女の子。その帯に「ああ! だんだん いい子になって ゆくんだわ」と、手書き風に書いてあれば、もう読むっきゃない! 孤児院出身。ある日顔の知らない裕福な紳士の目に止まり、奨学金をもらって大学進学を果たす主人公・ジュディに課された条件は、必ず毎月おじさまへの手紙を書くこと――。ふてくされたり、調子に乗ったり、落ち込んだりと感性豊かなジュディの手紙を堪能しました。総ルビでカラーイラストを多数収録しているのがイイネ。では、続編も行きます!⇒2021/05/11

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