内容説明
専横を強める白河帝は先帝との約束も反故にし、実子に譲位して院政を始める。「治天の君」と呼ばれた。帝位に就けなかった皇弟・三の宮は花園に隠棲する。一方、皇后道子に傀儡子の頭・鷲丸が接近し仕えだした。院に預けられてから逃げ出した美少女・たまきは、鷲丸のおかげで三宮と邂逅するが、その後三の宮の許を出奔。隠れ住んでいたところを見つかり、院の許へ連れ戻される。たまきはやがて院の寵愛を受け、祇園女御と呼れる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
38
様々な立場の女性たち。自分で何かを選択できる時代ではないのに、華やかなのはそれぞれの愛の形があるからでしょう。そんな中、帝の寵愛を受けたたまきが祇園女御と呼ばれるのも華麗な時代背景ゆえなのかもしれません。2024/10/31
鳩羽
12
姫宮を授かった道子だが白河帝との絆が深まるわけでもなく、忘れられた存在となってゆく。自分の子供を東宮にし、院政を開始した白河院は、三の宮の元に侍っていたたまきを手元に置き、寵愛する。自分の子を身ごもった女を帝に入内させ、その権勢はとどまるところがないかのようだった。様々な出自、性格の女人たちが白河院と関わり、割と不幸な状況ながらも、それぞれの生き方を生きていくしかないのが壮絶だった。たまきの境遇はあかねのせいでもあり、あかねの不運は道子のせいでもある。なんにせよ、好青年だった頃の白河院は面影もない。2019/01/24
しおん
4
「まんが日本の歴史」を片手に時代背景を理解しつつ読み進めました。創作の部分も多いですが、大筋は史実のようです。 平安時代の女性のなんと不自由なこと…自分の意志なんてものは何1つ持つことを禁じられ、男性によって生涯が決まってしまう他人まかせの人生。今までいくつかこの時代の物語を読んできましたが、これほど理不尽な物語はないなと思います。というか白河法皇が悪いんだな、これは。 2019/05/15
めご
3
身分の上下、さまざまな立場の女性達の人生。誰一人として、自分の意思で選択をしたり人生を全うできることはなくて、そんな生活の中でのそれぞれの愛や幸せが描かれていた。道子やその娘、善子はその後、どんな人生を送ったのだろう。2024/04/17
kmiya3192
1
女の戦いに一旦は破れた道子も賢子が裳瘡にかかると内裏へと戻った。平正盛が勢力拡大、その子忠盛が成長するとその嫁探しも話題に。傀儡子であったたまきが三の宮の目にとまる。しかしそれを白河法皇は見逃さない。法皇にはたまきと藤原公実の娘璋子がのぼる。たまきはいつのまにか祇園女御と呼ばれるようになる。法皇はたまきの側女であるちどりにも手をつける。そしてちどりが妊娠。たまきは西山の棲家に隠居していた道子の元にたどりつく。ちどりは男子を出産。しかしすぐに亡くなる。男子はたまきとともに忠盛へと預けられた。2021/03/18
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