内容説明
熱くてグサリとくる言葉の人、ニーチェ。だが、もともとはまじめで弱くて、斜に構えた青年だった。徹底的に挫折しても、再び立ち上がることができるのはなぜか? 不安で不確実な現代に、等身大のニーチェがいま、よみがえる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Aster
57
入門書にありがちな概念の説明だけではなくて、細かな解説や哲学そのものの捉え方も丁寧に教示してくれる。自己保存と自己増大、力への意志。でもそれが分かって人生が良くなる訳じゃないし、それを使って人生を良くするというのも何か違う。言葉や表象で分かっても実践してこなかった自分の行動を今になって思い出す。自己啓発ではあると思うけれど、自己啓発ではない。何だろう、よく分からないのだけれど、現実と真摯に向き合わないといけないと感じた。現実と真摯に向き合うこと、それは「現実と真摯に向き合っていると感じる」ことではない。2020/12/13
harass
53
中高年生向けの新書。ニーチェの考えをやさしく語る。ニーチェの生涯と彼の考え、特に彼の幸福とはいえなかった生き方とそれに対応する著作のかずかすから、「うじうじした小さい人間のための哲学」とみなして、よく生きるには、どうすればよいのかを論じていく。ニヒリズムと永遠回帰と力の意志、これら主要要素を平易に語る。役に立つ、自己啓発に近い読み方だと思うが、これも読み方の一つだ。なかなか感心した。おすすめ。2017/03/04
パフちゃん@かのん変更
20
C 若い頃はショーペンハウアーとワーグナーに心酔していた。 24歳から10年間スイス、バーゼル大学教授。34歳で偏頭痛のため退職、以後年金暮らしとなる。 著作は自費出版。 「ツァラトストラはかく語りき」は40部しか印刷されていなかった。7人に配布。 44歳で発狂。 みんな苦しんで大きくなった。そのことを見つめることで、生きることを肯定できるきっかけが得られる。 喜びの経験への回帰。2012/02/05
ヒナコ
15
ニーチェの思想を、ワーグナーとショーペンハウアーに憧れていた初期(『悲劇の誕生』)、ワーグナーと決別しニヒリズムを追求した中期(『人間的、あまりに人間的』、『曙光』、『悦ばしき知識』)、ルサンチマンの分析や永劫回帰の提唱などオリジナルな思想に辿り着いた後期(『ツァラトゥストラはこう言った』、『善悪の彼岸』、『道徳の系譜』、その他遺稿など)と三期に分け、主に後期ニーチェの思想がティーンエージャー向けに紹介されている。→2022/10/19
こつ
13
ニーチェといえば高圧的で小難しいと思っていましたが、イメージが変わりました。完璧主義で繊細な人みたいです。超人になれって、鼓舞でもしないとやってられなかったのかなぁと思いました。2022/07/17
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