角川学芸出版単行本<br> 「霊魂」を探して

個数:1
紙書籍版価格
¥1,760
  • 電子書籍
  • Reader
  • ポイントキャンペーン

角川学芸出版単行本
「霊魂」を探して

  • 著者名:鵜飼秀徳【著者】
  • 価格 ¥1,760(本体¥1,600)
  • KADOKAWA(2018/02発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 480pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784044001933

ファイル: /

内容説明

電車の網棚への遺骨の置き去りが増えるなど、人々の霊魂観の薄れを感じさせるニュースが相次いでいる。
宗教界に目を転じれば、明確な霊魂観を持つところもある一方で、霊魂が存在するのかしないのか答えられない教団もある。
現代における日本人の霊魂観を探るため、著者は鎮魂の現場、土葬の風習が残る山村、各地に息衝くシャーマンなど、数々の「霊魂の現場」を訪ね歩いた。
さらに、1335人の僧侶、20宗教団体への調査を敢行。
ここに日本人の霊魂観が明らかになる。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

きいち

33
魂はなんとなく「ある」とおもっている、でも死んだあとどうなる?とつきつめて考えることはない。否応なく考えさせられるきっかけがなければ。例えば、東日本と阪神との幽霊譚の量のちがい。行方不明者の数は、それだけ、霊魂について納得させてもらいたいと求める人の数。◇そしてそれに向き合う宗教者たち。収められた各宗派、そして僧侶たちの霊魂観アンケート(貴重だ)に教義との矛盾を指摘するのに意味はない、いや、目の前の人に向き合うときとのズレにこそ、意味があるのかもしれない。自身も僧侶である著者ならではの当事者性がうれしい。2018/05/26

ただぞぅ

12
東日本大震災後、多くの「霊魂現象」が取り上げられた。青森のイタコの元には死者と「対話」をしに訪れる被災者が相次いだという。日本史において災害や戦争により大量死の現場は各地に存在する。だが阪神淡路大震災では「霊魂」に関する報道は皆無に等しい。この違いは行方不明者数。遺体をみつけ供養しなければ「浮かばれない」という日本人特有の死生観。供養し魂を鎮めることで死者に対する畏敬を表現してきた。一方昨今、遺骨の盗難、置き去りが相次ぐなど霊魂観の希薄化も感じられる。霊魂の存在、供養の意義について考えさせられる一冊。2023/12/23

seichan

7
東日本大震災では幽霊を見たという話が相次いだけど、そもそも霊魂って?各宗教・宗派ではどういう見解?イタコとかユタとかの民間信仰もふくめて、いまの日本人が「霊魂」をどう見ているのか、をあきらかにしようとした本。 著者はお寺の住職だっけか、でも迷って手探りだからこそ、こういうアンケートをしようとしたのだろう。でも「霊」とか「死後」とか、輪郭あやふやだよね。高齢化社会で年寄りがあふれ、遠からずたくさん死ぬのに。2019/11/16

佐藤丈宗

4
『寺院消滅』『無葬社会』につづく新作。インタビュー取材やアンケートによって「現代日本と宗教」の姿を描き出すルポ。三作に共通するのは、これから宗教は日本社会にどのように関わっていくのかという問題提起。「霊魂」というテーマを掲げるとおり、前二作と比べて宗教の根源に踏み込んでいる。興味深い各教団へのアンケート調査とともに、自身も宗教者である著者が見つめる「現代日本と宗教」の姿は「思い」に溢れている。2018/03/09

kichy

2
仏教の中に霊魂の存在を肯定的に認める考え方は基本的にはないが、浄土真宗を除き霊魂の存在を前提とした宗教儀式は各宗派に見られる。教義的には困難であっても日本人の感情を鑑みると仏教の儀式に霊魂を前提とした所作や思想を採り入れざるを得ない土壌が日本にはあったのだろう。霊魂を認めることで精神的な安らぎを得ることができ、救われる人も多い。先祖や親しい人の霊魂の存在を認め、生きている者と関係性を築いてくれているという世界観を持てることは、ある意味で幸せなことなのかもしれない。2024/04/08

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/12657290
  • ご注意事項