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内容説明
「楽園」からの5冊目のpanpanya作品集。表題シリーズ全8本はじめ「いんちき日記術」「比較鳩学入門」「学習こたつ」「宿題のメカニズム」等、著者ならではの描写が輝く21篇。日記も併収。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ホークス
37
2019年刊。著者の漫画世界は夢のようで、半ば不穏なのに半ば心地よい。『いんちき日記術』は日記を空想で書いていたら見知らぬ町に迷い込み、帰り道が分からなくなる話。一瞬こちらが焦ったけど、日記なので当然ちゃんと帰宅できる。不安のツボを突かれた感じ。表題作は、著者がフルーツを探して実際にフィリピンまで行く話。どこで幻想が混ざって来るかと身構え、やはり術中にはまってしまった。『水族館にて』の解題で、著者は図鑑が見せてくれる「世界の深さ」を賞賛する。私も図鑑好きだが、その快感に導かれて生きてきたような気もする。2021/09/05
ちゅんさん
28
不思議な世界観が癖になる。著者の日常のちょっと不思議なことやわからないことを調べたり想像を膨らませたりして描くスタイル、そういうところは好感が持てるしなかなか貴重な漫画家さんじゃないかな。2019/04/21
kei-zu
26
畑の芋づるをたどって地中を掘り進める。行く手に現れるのは、電柱の埋設部分、地下鉄のトンネル、関東ローム層…(「芋蔓ワンダーランド」)。 本書に収録されたどの物語も、疑問と探求の狭間にある困惑を描くようだ。その白眉は、書名にもある「グヤバノ」を求めるフィリピンへの旅路だろう。 著者の本にひかれてやまないのは、この世ならざる不思議な景色を、僕らの日々の困惑に提示するからなのかもしれない。2021/03/30
りー
22
出版を重ねるごとにどんどん大衆受けしそうな(あくまで同作者の作品中の比較の話だけれど)ライトさになってきているにも関わらず、クオリティが落ちたとか世界観が変わったとかそんなことは全くなく、むしろ「読みやすくなっただけ」というのがpanpanyaさんの凄いところなのでは…。相変わらず面白いしコメディタッチのキャラなのに幻想味が漂うのも良い。どこか郷愁漂う芋蔓ワンダーランドが特に好き。2019/11/14
Bo-he-mian
21
ず~っとpanpanyaさんが気になっていながら手を出さずにいたのは、一つには値段がお安くはないのと(笑)、あと作家性が異常に強いのでは…という懸念があったのだが、初panpanya読者として本書をセレクトして、この漫画家さんがメジャーデビュー以来、堅実な刊行を続けている理由が分かった。描きこまれた「風景」は確かにガロ系の昭和的な世界観でも、そこに描かれているのは、日常の中で出逢う不思議を、ゆるふわな感じでほのぼのと描いた日記風の、すごく読みやすい作品だった。哲学的なマンガぢゃなくてちょっと安心(笑)。2019/02/24