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内容説明
もはや厳格な「社会主義計画経済」ではなく、経済の市場化が進んでいる北朝鮮。記者、研究者として農民市場や工場・企業の実態調査をたびたび行ってきた著者によるルポ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
skunk_c
27
著者は在日2世であり元朝鮮総聯機関紙の朝鮮新報記者から研究者に転じ、最近国籍を朝鮮籍から韓国籍に移したという系歴の持ち主で、20回に及ぶ訪朝経験を生かした、肌で北朝鮮を感じることのできるルポだ。一方研究者としては駆け出しだそうだが、きちんと事実を整理した最近の朝鮮半島情報は抑制が効いており、ともすると感情論や危機意識に流されやすい北朝鮮に関する書物とは一線を画している。祖国に対する愛着を持ちながらも、その行く末を冷静に見つめるこの著者の姿勢には好感が持てる。果たして今後どこまで市場経済化が進むか興味深い。2019/01/01
sakadonohito
11
大同江ビール飲んでみたいなと思った。計画経済(管理経済)を成功させ、経済発展させられた国はなく、北朝鮮も皆隠れ副業で収入を補填しているようだ。政府もある程度は黙認らしい。この本は2010年頃の本で、今は知らないが当時までは日本統治時代に作った水豊水力発電所が、国内水力発電所のうちで最も発電量が多いくらいには発展が遅れている状況。国策で水力6:火力4の比率らしい。経済制裁が厳しくなってからは石炭輸出ができなくなり、火力発電にまわしているそうだ。2025/01/02
ステビア
10
北朝鮮でも確実に市場経済化が進んでいるんだとか。2018/12/29
犬養三千代
8
何故ビールなのか!?読めばわかります。思っていたより平壌は都会だし貧しくもない。、地方との格差が凄いのだろうなと思う。在日コリアンの著者の目で北を見る。研究者の目と同胞の目が交錯する。北朝鮮の一面なのだが暗部は誰もわからないということか。2019/10/20
Masakazu Fujino
5
現在の朝鮮民主主義人民共和国が、どのような状況にあるのかを、経済を中心に、朝鮮新報記者の記者として、また朝鮮新報を退社後は東京大学大学院で学ぶ韓国朝鮮文化研究者として二度の特派員時代を含めて約20回訪朝している著者【在日二世で小・中・高と朝鮮学校出身】が、自分の目で見たり体験したり現地で聞いたりした北朝鮮の普通の人々の暮らしぶりや考えが、きわめて抑制的に冷静公平に描かれていると思う。平壌を訪問した私も納得できる市民の生活や市場経済の仕組みの説明だ。核開発の問題の説明・分析も冷静・丁寧に説明されている。 2019/03/13