内容説明
怪人物モリアーティとモラン大佐、犯罪商会(ザ・フアーム)の面々の暗躍は留まるところを知らない。ある日モリアーティは、ネパールの偶像から抉り出された呪いの宝玉にまつわる謀略のため、あと五つ、曰くつきの宝物を四十八時間以内に揃えるという難題をモランに課す。ロンドンが秘密結社の血で血を洗う大抗争の舞台となる「六つの呪い」、長男の教授に次男の大佐、そして三男の駅長と三人のジェイムズ・モリアーティが田舎駅に現れた巨大ワームの謎に各々の陰謀を巡らせる「ギリシャ蛟竜」、そして“あの名探偵”とのライヘンバッハの滝における死闘の真相を明かす「最後の冒険の事件」を収める。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
MICK KICHI
109
ホームズの最大の敵「犯罪界のナポレオン」ジェイムズ・モリアーティの活躍を描いたパスティーシュ。ワトソン役を虎撃ちのハンター、モラン大佐に割り当て、正典のエピソードの裏側を描く。又、同時代のフィクションからメディア・ジャンルを問わずヴィラン・オールスター的な配役がびっしりと並び、モランの下卑た言葉で綴られる日記はパロディそのものになっている。ただ、肝心の文章が婉曲や引用が多すぎてついて行けない...。面白い設定なのに非常に苦労させられた。訳者の「原典を知らなくても大丈夫」には首を捻らされる。かなりマニア向け2019/01/06
KAZOO
103
シャーロック・ホームズの仇敵のモリアーティ教授を主役にし、その配下のモーラン大佐が語り手となっている一種のホームズパステーシュです。いくつかの話が収められていますがこの時代についてはよく調べられていると感じるくらいの博覧強記の様な作者です。訳者もシャーロッキアンのせいか訳も読みやすく楽しめました。シャーロック・ホームズをどちらかというとコケにしている感じがします。2022/06/11
sin
65
この物語は知識のパズルだ。今では文献でしか知り得ない、怪人怪物入り乱れた嘗ての世紀末の架空の出来事を、使い捨ての犯罪王に絡めて体系的に纏めあげている。そう、時代背景を同じくする緒作品を一つのユニバースに詰め込んだ物語だ。そして狂気の数式ヴィランであるモリアーティが数多の怪人たちと繰り広げるドタバタコメディで、結末であるライヘンバッハの滝に至る以前に結末を迎えた物語だ。結果的にホームズを引き立てるモリアーティ自滅の物語であるのかも知れない。2022/03/28
HANA
62
教授とモランの活躍はまだまだ続く。一個でも大変な呪いの宝石が六個、秘密結社や犯罪組織が暗躍しすぎて倫敦が大騒動になる「六つの呪い」や、教授の兄弟が登場する「ギリシャ蛟竜」、そしてあの探偵とライヘンバッハの滝。落ち着いたトーンが多かった上巻に比べ、下巻はカーナッキやストレンジデス卿を始め当時活躍した怪人が入り乱れて大活躍。こういう虚実入り乱れての大騒動は大好きなので、読んでいてひたすら大興奮でした。ただ祭りはいつしか終わるもの、滝への道行は面白うてやがて悲しきという言葉がぴったりでした。いや、面白かった。2018/12/17
星落秋風五丈原
38
下巻では遂に本家本元が登場。まあそうなるわな。2019/01/08
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