講談社文庫 見事な娘

著者名：源氏鶏太【著】

講談社（2018/12発売）

• ISBN：9784061312968

内容説明

お転婆で男勝りの桐子は、ミス丸の内と呼ばれるOLである。溌剌としているけれども、悩みがないわけではない。結婚後に家出をした兄、事業に失敗した父のことで、心は曇る。それでも不幸な恋愛で傷手を受けた同僚には、献身的な助力を惜しまない。青春の哀歓を見事に生きる、OLの典型を描いた傑作長篇。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

[カノープス]

大衆小説家・源氏鶏太。その作品は、極端なドラマチックさや難解さを避け、サラリーマンや一般市民の日常的な悩みや喜びを描く中庸さを特徴としている。この親しみやすさが、戦後日本のサラリーマン層を中心に広く支持された理由だろう。ハッピーエンドを基調とし、過度に悲観的または楽観的すぎないストーリー展開を採用。源氏の文体やプロットは堅苦しくなく、漫画のようにスラスラ読める。それほど文学的でもないし、かと言って安っぽすぎもしない、絶妙なバランス。文学的価値の評価は低いが、それは大衆小説の宿命だろう。

2025/06/16

[ツカモトカネユキ]

戦後の雰囲気が残る、昭和20年代後半が舞台の青春小説。 主人公は、題名どおりの見事な娘です。 ひねりはないですが、素直に勧善懲悪が楽しめます。 後味、スッキリです。

2017/09/23

[hata2]

いつもよりもキャラクターの掘り下げがなく、最後の見も蓋も無い展開には口あんぐり状態。たぶん、連載終わり近くなっても物語を収拾する事が出来なかったのだろう。

2013/06/05