内容説明
最新の免疫学の研究で、だらだらと続く「慢性炎症」が、、「がん」「肥満、糖尿病」「脂質異常症」「心筋梗塞」「脳梗塞」「肝炎・肝硬変」「関節リウマチ」「認知症」「うつ病」「潰瘍性大腸炎」などの発症にかかわる、万病の素であることがわかってきた。健康長寿の人生を送るためには、この慢性炎症を解消することが不可欠だ。日本の免疫研究の指導者として知られる著者が、慢性炎症の治療法と予防法を平易にわかりやすく解説
目次
慢性炎症万病のもと
炎症を起こす役者たち
慢性炎症はなぜ起こる?
慢性炎症が引き起こすさまざまな病気
最新免疫研究が教える効果的な治療法
慢性炎症は予防できるのか?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
タナカ電子出版
29
この本は慢性炎症について書かれた本です。タイトルに科学と、書いていますが、なかなか科学的に実証するにはまだ、難しく、仮説的考えだと私は考えています。もちろん私は医療従事の仕事に従事している経験と知識から、患者さんには慢性炎症の存在否定しませんが、それらが直接的に病気の原因だと言えるほどのデータや根拠が充分ではないと思えて仕方ないです。しかしながら本にしたり説を唱える事自体は賛成します。その考え方、私は人前では大きな声では言えないけど嫌いじゃないです。2019/04/07
ゲオルギオ・ハーン
26
炎症が続くとどうしてガンになるのか、例えばお酒を毎日飲みすぎるとガンになるのはなぜかという身近な疑問に対する答えも含めて解説している一冊。本題に入る前に炎症の関係者になっている各種白血球の説明もしているので素人の私でも読み進めることが出来た。また、イラストによる解説も分かりやすくて理解の助けになったのでさらに好印象。本題に戻ると炎症が続いてしまうと白血球のほか周りの細胞も反応を継続し、DNA複製の異常が出やすい状況になるという。アトピーについても炎症の慢性化という点から説明されていて分かりやすかった。2021/08/20
Kentaro
24
免疫とは、疫を免れる。即ち、病気にかからないことであり、免疫反応とはからだが病気を免れるために起こす反応であると考えられている。実際は、免疫反応はわれわれのからだにとって良いことだけをするのではなく、悪いことをすることもある。動脈硬化では動脈の壁でだらだらと炎症がくすぶるように続く。このような炎症は、通常、何週間も続き、なかなか止まらない。このような炎症のことを慢性炎症といい、あまり気ずかないうちに炎症が進行する。このようなくすぶり型の慢性炎症が、じつは万病のもとになり、発赤、腫脹、熱感、疼痛を起こす。2019/02/05
テイネハイランド
17
図書館本。医学の発達により、人体の免疫機能の乱れによる「慢性炎症」が、がん、糖尿病、心筋梗塞、認知症、アトピー性皮膚炎など、重大な病気に大きく関与していることがわかってきました。この本では、免疫学の研究者である著者がそれらのメカニズムについて最新の知見を踏まえて解説してくれます。著者の説明の仕方が丁寧なのか、医療関係者以外の人が読んでも理解できるように図や用語の選択に工夫がされていると感じましたが、情報量が多すぎて消化不良な箇所もあり、時間をおいて本書を再読するか別の解説本も読んでみたいと思いました。2019/10/20
sheemer
16
免疫学者による、病を特に慢性炎症の方向から捉えて解説した本。免疫の基礎知識から急性炎症・慢性炎症とその治療法・展望までが一般人にとってわかりやすく、かつ科学的に押さえるべきところをきちっと押さえて書かれている。ほぼオリジナルの解説図も分かりやすい。新書という分量制限のためか詳細な参考文献リストはないが、重要な論点では本文中にタイトル・雑誌名・発行年度程度の参照があり、検索すれば見つけられると思う。ちゃんと知りたい人ならこの程度の詳細さにはついてこられるだろうという読者への性善的な信頼も感じられる。良書。2024/05/31
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