朝日文庫 アレグロ・ラガッツァ

著者名：あさのあつこ【著者】

朝日新聞出版（2018/12発売）

• ISBN：9784022648983

内容説明

吹奏楽はもうやらないと高校の入学式で美由は心に決めていた。だが大人びた久樹さんや人懐っこい菰池くんとの出会いがその気持ちを徐々に変えて……。新しい世界の扉を開けたばかりの16歳の揺れる心を、にぎやかにキュートに描く。元気の出る青春小説。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[Karl Heintz Schneider]

イタリア語学習者にとっては気になるタイトルである。"Allegro ragazza" 「陽気な女の子」そんな文字からの印象とは少し違った物語だった。ここで言う「アレグロ」は音楽用語の「速く」そう、これは吹奏楽を志す女子高生の物語。ピッコロの美由、パーカッションの九樹、ユーフォニアムの菰池、それぞれ過去の複雑な経験を振り払い新たな一歩を踏み出す物語。人生で一度しかない高校時代をアレグロで駆け抜ける三人。キラキラまぶしい青春小説だった。

2024/10/15

[のびすけ]

高校で出会った美由、久樹さん、菰池くん。個性的な三人が吹奏楽部に入部、夏のコンクールを目指す。三人が出会って入部するまでが長く、部活の本格的な練習が始まってからは駆け足だった。三人それぞれが楽器に掛ける思い、友情が深まっていく過程がよかった。楽器を人に喩えるのは面白かった。チューバは｢太めの国王｣か、なるほど。コンクールの課題曲がホルストの第一組曲って、設定としてそれはないかな。

2023/04/02

[ジロリン]

キラッキラッの青春小説。その、あまりの眩しさに？一気読み。吹奏楽部を中心にお話は進んで行きますが、演奏シーンは見事なまでにw出てきません。どころか、主人公はなかなか自分のパート（担当楽器）を決める事さえ出来ません。それは中学生時代の挫折経験からだけでなく、ようやく大人への入り口に立ったと言える年頃になったからこそでしょう。大人になるには色々と選ばなければならないモノがある。だからこそ主人公が自分のパートを〈選択〉し、その楽器をどんどん好きになっていく姿を描く様がとても美しく、感動的なのです。

2019/01/05

[papakiti]

アレグロで一気読みでした。今が卒業式シーズンなので受験を終えた新入生が春休みに読むのに良いかもです。

2019/03/03

[YH]

あさのさんはやっぱり、大人が主人公より、少年や少女が何かに打ち込んでいる話の方が好き！文化系で一番青春っぽいのはきっと吹奏楽部なんだろうな。悩みながら、真由が楽器や友人と向き合う過程が良かった。

2020/02/01