内容説明
世の中、才能で人生決まる。低スペックな俺は周囲の心を殺すほどの圧倒的な才能をこう呼んでいる――『虐殺スペック』。
ひょんなことから『万能』の虐殺スペックを持つ美少女・赤三月朝火の自殺を阻止した俺は「なんでも出来て退屈したから」と理由をのたまう彼女に、せめてもの抵抗として反論した。
「なあ――出来ることじゃなくて、お前にしか出来ないことを見つけろよ」
翌朝、朝火から『人生の攻略本作り』を手伝えと脅迫された俺は、条件と引き替えに制作を始めるが、朝火の攻略法は斜め上をいくものばかりで……!?
低スペックが制作する人生攻略本、特典として万能美少女付き!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
35
たまたま虐殺スペックな女子高生・赤三月朝火の自殺を阻止した低スペックの九木野瀬伊吹。翌朝、朝火から脅迫されて『人生の攻略本作り』を手伝わされる青春小説。容姿端麗の人気者で多才な朝火の素の性格はわりとあれで、低スペックと言われる九木野瀬は屈折した現実主義の努力家。まずは周囲に妬まれて孤立する下級生・黒花(彼女もいい性格w)が直面する困難の克服に協力する展開でしたが、何だかんだでわりといいコンビっぷりを見せた二人はそれぞれ事情を抱えているようで、その関係が今後どう変わってゆくのか続巻に期待大の新シリーズです。2018/12/21
まっさん
23
★★★ 取り立てて得意なことがある訳でもなく自らを低スペックと自称する主人公九木野瀬伊吹は周囲の人の心を殺すほどの才能を「虐殺スペック」と呼んでいる。偶然にもあらゆる物に対して虐殺スペックを持つ学校一の美少女赤三月朝日の自殺を阻止した彼はその責任を取らされるという形で彼女の人生攻略本作成を手伝うことに。平凡な彼にとって万能な彼女の攻略本は予想の斜め上を行くものでー 当初購入予定ではなかったもののAmazonの評価が高く試しに一巻を購入。割と面白かったものの個人的にはもう少し恋愛要素を含めても良かった→2019/05/06
しぇん
20
結構面白かったです。才能の無さを努力でカバーしてきた主人公が心折れてしまっている所に才能だけで生きてきた少女が自殺しかけている所を止めたところから始まる物語。最初の自殺止めたシーン一体どうなってるんだ?とか細かい疑問を偶に覚えてしまいますが、そこらへんを気にしなければ楽しめました。自殺未遂から始まったり虐め問題あったりしますが、余り陰鬱さは無かったです。なんとなく明るくなったガガガ文庫ぽい作品だなと。2018/12/23
真白優樹
16
画面の前の読者の貴方は、過去に会った事がないだろうか、絶対に追いつけぬと理解させられる程に才能豊かな人に。努力が実らずに心折れ、心が絶望に染まった事はないだろうか。そんな闇の中に正に今存在する少年が、万能すぎて退屈を持て余す少女と凸凹コンビな漫才を繰り広げながら青春を過ごすこの物語。現実は正に残酷、物語なんか起こらない。予想外、だがエネルギーに溢れたどこか現実的な疾走を繰り広げる物語であり、根底に蟠る闇も相まって、どこか緊張感のある読み味を生み出している物語である。 次回、攻略本作りの行方が導く青春とは。2018/12/24
ツバサ
15
友崎くんとよう実が組み合わさった感じがたまらん。低スペックの九木と虐殺スペックの赤三月がコンビを組んで、人生の攻略本を作る。軽快な会話や空気が素晴らしい!続きが読みたい。2019/01/02