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内容説明
「河童シリーズ」、初の完全収録! 火野葦平の原作を巧みにアレンジした「梅林の宴」や「花の下の井戸」に加え、水木オリジナルの「髪様の壺」など全15話を網羅。細やかに描かれる河童の姿は、どのコマを切り抜いても、一枚の妖怪画として成立しそうなほど。さあ水木しげるにいざなわれ、人の世と水面を隔てて暮らす河童の世界を覗いてみよう。★解説「河童の世界というユートピア」松田哲夫(編集者、書評家、筑摩書房顧問)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぐうぐう
15
水木しげると河童と言えば『河童の三平』をまずは思い浮かべるが、こちらは「週刊漫画アクション」に連載された『河童シリーズ』を収録している。河童はもちろん妖怪だが、水木にとって河童は、多くの妖怪の中でもとても愛着のある存在だったのだろう。水木は河童に人間を投影させている。頭に皿はあるものの、その姿は人間に似ているのだ。ご丁寧に『河童シリーズ』の河童は、メガネまで掛けている。とは言え、河童独自の社会がここにあり、独自の価値観があるからこそ、人間批評を可能にする。ゆえに河童は、人間に似てなくてはならないのだ。2016/02/06
軍縮地球市民shinshin
6
水木作品に河童は多く登場するが、本作は火野葦平の『河童曼荼羅』を漫画化したものが多い。原作があると水木はやたらとコマに説明の文章が多くなる特徴がある。オリジナルはそういうことは少ないのだが…。貸本時代の作品には説明文は少ないので、ページ数に制約が多いからそうなってしまうのかもしれない。2016/02/11