内容説明
「人生は大変なことが多いけれど、すてきなこともたくさんある」40年近く絵本の編集に携わり、皇后美智子さま、安野光雅、谷川俊太郎、M.B.ゴフスタインなど、国内外の名作を手掛けてきた著者。彫刻家である父・舟越保武との暮らし、愛する夫の急死、息子の事故、再婚した夫の病、そして東日本大震災の被災。波乱に満ちた人生の中で、常に絵本が傍らにあり、生きることの希望を与え続けてくれたという。「絵本と付き合うことによって、私は、子どもたちの人生を『こうでなければならない』と決める必要はないということを肝に銘じて知りました。もちろん大変なこともたくさんありましたが、それは自分についても言えるのでした。」(「はじめに」より)絵本が教えてくれる大切なこと、絵本づくりに関わる人々が作品にこめた想い、絵本を贈り・贈られることで生まれる喜びなど、大好きな32の絵本とともに綴る幸福論。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かおりん
21
新聞の書評で著者を知る。皇后さまとの縁も書かれているかと思ったが、あとがきに少しだけ。はじめに~で難病の長男と元気な次男が6才と8才の時に夫を亡くされたとある。絵本で救われ、沢山の方に支えられてきた。だからこそ絵本で様々な話に共感し学ばれて、その中からいくつも紹介されている。知らない絵本も多いけど読んでみたいと思わせる文章が見事。柔らかい心を持ちたいと思った。イモトヨウコさんや石井桃子さんは有名。石井さんの言葉『大人になってからのあなたを支えるのは、子ども時代のあなたです』すごい。2019/04/28
シャコタンブルー
21
作者は絵本「あさ」でボローニャ国際児童図書展でグランプリを受賞し、出版社も立ち上げ世界中の良質な絵本を出版している経歴をもつ。この本では32作の絵本を紹介している。「100万回生きたねこ」だけはタイトルを聞いたことがあるが他の作品は読んだこともタイトルも知らなかった。どの絵本もそれが世に出た経緯とそれに対する敬愛の念や優しさが伝わり、すべて読みたくなる。末盛さんがこの本を執筆し始めたのが東日本大震災後だったので「みんなの励み、慰め、勇気をもらっている作品を選んだ」良質な絵本のおすすめ本となっている。2018/12/03
mntmt
18
作者オススメの絵本の紹介。優しい方だなと思う。一冊の絵本を読んで、こんな感想が言えたらいいなと思う。2019/04/26
はこ
12
末盛千枝子さん、初めて読ませていただきました。絵本に携わる仕事をされていて、ご自身も夫を急に亡くされたり悲しみ苦しみを乗り越えながら、素晴らしい絵本を世に出すために尽力、その絵本一冊一冊をタイトル幸せを数えるように紹介してくださっています。100万回生きた猫など知っている作品もありましたが、ほとんど知らない絵本、それでも絵本は子供のためにだけあるのではないなあとしみじみ思いました。優しい気持ちになれる一冊です2018/11/17
あきこ
6
イラストと本の大きさがなんだか可愛くて手に取った。末盛さんの文章はいつ読んでも心に響く。飾らない当たり前の気持ち、でもなんだか忘れてしまっているものを思い出させてくれる。年齢を重ねて、このような気持ち、幸せのとらえ方が身に染みてきた。巻末に紹介した本がまとめられている。絵本というのはこんなにも大人の心にも響くものなんだな。娘が小さなころに戻れたらもっと読んであげたい。読んでいたら泣いてしまうかもしれないけど。2019/01/29
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