内容説明
「失敬な。私はプロのニートだ」
「プロというのは、お金をもらう立場のことだろ」
「私はちゃんと親から毎月、お金を得ている」
「違う! そういう意味じゃない!」
サークルにも行かず暇をもてあました京都の大学生、日之出は学内でミステリアスな女性に出会う――。
しかし、高階さんというその女性は学生ではなく、ニートだった!
そして、日之出が暇であることを看破した。
「なら、ちょうどいい。私と付き合わないか?」
森田季節×紅林のえが贈る、無職と大学生のスローライフだらだらラブコメディ!
※電子版は紙書籍版と一部異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
35
サークルも幽霊部員と化して暇を持て余し気味だった京都の大学二年生・日之出。再起を期して潜り込んだ新歓コンパでミステリアスな年上ニートの高階さんと出会う青春小説。高階さんが言った「付き合って欲しい」の真意を確かめられないまま、ゆるゆるとした日々を共に過ごすうちに少しずつ心境が変わってゆく日之出。サークル仲間の祭利や彼が家庭教師を務めるJK彩乃も絡めた人間模様にはこれまで育まれてきた確かな関係があって、彼女たちとのドキドキ展開が恋愛に直結しなくても、これはこれで悪くない大学生活なのかなとか思ったりしました。 2018/11/13
芳樹
31
【勝利とは働かないこと】舞台は作者の出身大学かな?ボッチ気味の大学生・日之出と、意識高いプロのニート美女・高階さんとの交流を描いたダラダラ系スローライフ物語。主人公の淡々としたモノローグと妙に納得させられる屁理屈で進んで行く、こういう静かな雰囲気が好き。「ハタラカヌス」を始めとした高階さんのニートに関する持論に思わず説得されそうになりました。二人の関係はどうなるのか…。2021/09/29
むっきゅー
29
【サイン本】京都大学?が舞台の学園ラブコメ。珍しいな。ボッチな文学部二年・日之出くんが、新歓コンパに紛れ込んでただ飯を食っていたニート・高階さんに出合い、意気投合して「ニート生活を付き合う」話。かなりツボに入った作品で、メチャクチャ笑いました。ニートに気高い誇りを持つ高階さんとの会話が面白く、日之出くんの思考パターンがボクとよく似てて親近感がわきました。崩壊寸前のサークルや、家庭教師先の高校生が恋バナばかりで授業がグダグダになるとか、懐かしいな。ラブコメ展開は、ボクには全くなかったので、うらやましかー。2018/11/17
わたー
22
★★★★★プロニートの高階さんに付き合ってダラダラと過ごす日常系コメディ。彼らの付かず離れずなユルい生活がとてもいい。事件なんて起きなくても、気の置けない人と一緒なら人生が豊かになる。それがたとえニートだとしても。それにしても、あるきんぐのサークル崩壊が他人事とは思えないほど妙にリアル。これが実話をもとにした部分なのだろうか。私にも経験g…うっ…頭が…2018/11/15
真白優樹
21
サークルが合わず幽霊部員な事で暇を持て余した大学生の青年が、プロのニートを自称する女性と出会い始まる物語。―――何もしない、起きない。そんな青春は悪くない香り? 働いたら負け、そんな理屈に筋道を通すかのような理論を展開し畳みかけてくるこの物語。 何も起きぬ、特に変わらぬ平凡でどこか怠惰な青春の日々。どこか体験したことがあるような日常が繰り広げられる、地に足の着いたどこか趣深い余韻が楽しめる、文字通り悪くない物語である。変わらぬ日々、だけど愛おしい日々はいつか変化するのか。 次巻も須らく期待である。2018/11/14