ちくま新書<br> 格差社会を生き抜く読書 【シリーズ】ケアを考える

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ちくま新書
格差社会を生き抜く読書 【シリーズ】ケアを考える

  • ISBN:9784480071798

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内容説明

「一億総中流」の夢から醒めた日本。ちょっとした不運で、誰もが転がるように零落する。ひとたび貧困へと転落すれば、ふたたび這いあがるのは容易ではない。波瀾万丈な人生経験をもつ佐藤優さんと、貧困のリアリズムに心理的なまなざしを向ける臨床心理士の池上和子さんが、格差社会の実相を知るための30冊を紹介しながら現代の貧困を徹底的に議論する。貧困と虐待はなぜ連鎖するのか、貧困に陥らないためにはどんな教育が必要なのか、来るべき社会はどうあるべきなのか――。格差社会を生き抜くための針路をくっきりと描く。

目次

まえがき 佐藤優/第1章 不平等は何をもたらしたか/第2章 教育格差を読む/第3章 子どもの貧困/第4章 来たるべき社会保障/あとがき 池上和子

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

緋莢

19
図書館本。多くの著作を持つ佐藤優と、臨床心理士で児童養護施設、里親への支援、研修を中心に活動する池上和子が「現代の貧困」を議論した本。<貧困の意味は社会や時代によって大きく異なる>、<(日本とアフリカ諸国の)貧困は 意味するところが質的に異なります。この二つの貧困を同じ基準で考えることは問題があり、事実をゆがめることに つながると考えられる>というのが最初の方で出てきます。(続く2019/04/05

Taka

13
資本主義は格差を拡大していく傾向がある。一億総中流の夢から覚めた日本。アンダークラスがアンダークラスにいるおかげで日本経済は成り立っている。人は感情の生き物だ。自己責任と切り捨ててしまうのもわかる。だから政府があるんじゃないか。今必要な日本の為の制度はなんなのか。非認知的スキルの重要性。非認知的スキルとは、結果がすぐ出ないことに焦らず、経験を積み重ねれること。ああ、このスキルが育ってないと。日本の福祉はシステムの外にいる人に冷たい。日本は子供に冷たい社会。このままでいいんですか?見ないふりで今日も生きる2023/08/04

ののまる

10
映画「プリズン・サークル」を観たところなので、ここに書いてあることがしっくりときた。挙げられている本を読んでみます。社会的養護(児童養護施設)と家庭養護(里親や特別養子縁組制度)の現状について、そして子ども時代を奪われたまま、いきなり社会に放り込まれる若者たち。「自分の生い立ちには物語がある」ことに向かい合い受け止める作業をしない限り、虐待や貧困にある子ども達は大人になっても 苦しみ続ける。2020/02/13

Happy Like a Honeybee

10
池上和子氏との二冊目の共著。 児童養護専門家だけあり、現場の声を実感する。 モンテッソーリ教育、本来は障害者向けの教育。 貧困問題、教育格差、社会保障など、これからの日本を考える上で不可避なテーマが多い。 読者は他人事とは思わず、何かしら行動できればと思う次第。2018/12/15

アトム

8
題名から期待していた内容とは違っていたが、面白かった。「あらゆる問題は自助努力の欠如という側面と社会構造の歪みに起因する側面の、両面をあわせもっている。その両面を考慮しつつバランスをとって、自らが直面する問題を分析することはなかなか難しい。」2018/12/17

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