内容説明
誰もが介護に関係してくる日が,すぐそこに来ている.それを支えるには介護保険が不可欠だが,度重なる制度改正は利用者に何をもたらしたのだろうか.家族の変化,介護労働の現状など社会状況を述べながら,介護保険制度を最新のデータとともに丁寧にわかりやすく解説.全世代をみすえた制度のあり方を考える.
目次
目 次
はじめに 私が介護保険にこだわる理由
序章 介護問題の社会化
「含み資産」から「介護の社会化」へ
1 六五歳以上の人の暮らし
「未婚の子」との同居が増えている/老後をどう暮らしたいのか/高齢者の家計/ 「介護サービス」への支出/貯金額には大きな開きがある/生活保護の半数は高齢者世帯/亡くなる場所は病院
2 高齢の人の困難
犯罪の背景には「孤独な生活」/ 「孤立死」の表面化/セルフ・ネグレクトと「ごみ屋敷」/消費者被害を隠す高齢者/高齢化するホームレスの人たち/自殺する理由は「健康問題」
1章 介護保険を利用する人たち
1 介護認定を受けた人たち
認定者は八〇歳以上が中心/介護が必要になる原因はさまざま/認定を受けた人の半数以上は認知症/なぜ、サービスを利用しないのか/在宅サービスを利用する人が多数
2 介護をする人たち
介護者は六九九万人/介護者の生活時間/ 「老老介護」の増加/ 「男性介護者」は三割/ 「若年介護者」の課題/ 「母娘介護」の葛藤/ 「シングル介護」と「ダブルケア」/ 「介護ストレス」の危機/ 「同居介護」の責任/ 「通い介護」の労災認定/一五八万人が「介護離職」/介護休業制度の状況/介護殺人の背景
2章 介護現場で働く人たち
1 「在宅」を支えるホームヘルパー
ホームヘルパーは三〇万人/非正規、非常勤/ホームヘルパーの労働環境/サービス提供責任者も非常勤に
2 「通所・施設」を支える介護職員
夜間勤務の基準/介護労働者の責任
3 人材確保と給与水準
人材確保のための対策/ 「人材不足」の構造/給与は、いくらなのか/比較できない給与データ/介護労働者は、どのくらい必要なのか
4 介護労働者の課題
働く者の権利/介護労働者による虐待/ 「身体拘束」の禁止/ 「福祉労働」という視点/ 「介護福祉士候補者」の受け入れ/技能実習制度の導入
3章 介護保険のしくみ
1 介護保険の基本
2 介護保険の財源
給付費は介護保険料と税金で負担/介護保険は社会保障給付費の八%
3 介護保険料の計算方法
4 現役世代の介護保険料
個人と事業主が分担/人数から収入に応じた計算方法に
5 高齢世代の介護保険料
「基準額」と負担段階/市区町村ごとに変わる第一号介護保険料/消費税による負担軽減策/年金からの天引き
4章 介護保険の使い方
1 地域包括支援センターに相談する
2 介護認定を申し込む
介護認定には三種類/申し込みをする権利/主治医意見書が必要/訪問調査にもとづく一次判定/訪問調査の注意点/認定審査会の二次判定/ 「更新認定」の見直し
3 介護認定の結果
認定ランクと利用限度額/申請日からサービスは利用できる/介護認定の有効期間/審査結果への疑問
4 認定システムの課題
納得できない人が多い理由/介護認定の見直し/システム変更をめぐるトラブル
5 「基本チェックリスト」の登場
「基本チェックリスト」と介護予防事業/介護予防・日常生活支援総合事業/要支援1、2の人も「基本チェックリスト」/介護認定の申し込みをするときの注意事項
6 ケアプランをつくる
すべての利用者にケアプランがある/要支援認定の人は、ふたつのケアプラン
7 サービスの種類
さまざまなタイプの在宅サービス/施設サービスは、一時的に四種類/地域密着型サービスは九種類/事業所を調べる方法/福祉サービスの第三者評価
5章 介護保険にかかるお金
1 サービスの料金
単位と金額のちがい/サービス別の料金設定/ 「総合事業サービス」の料金
2 利用する人の負担
利用限度額の見直し/一割が原則だったが二割も/三割負担も/二割負担になった人への影響
3 自己負担を軽減するしくみ
世帯単位の高額介護サービス費/上限額の引き上げ/立て替え期間の負担/高額医療合算介護サービス費/確定申告の控除対象/低所得の人への「社福軽減事業」
4 食費と居住費の自己負担
食費と居住費は自費に/負担軽減策/ 「補足給付」の厳格化/遺族年金と障害年金も調査対象に
6章 なぜ、サービスは使いづらいのか
1 介護保険を見直すしくみ
社会保障審議会のふたつの組織/改正と実施にはタイムラグがある
2 ケアプランは、だれのものか
介護・医療の専門職がケアマネジャー/ケアマネジメントというサービス/要支援の人はケアマネジャーを選べない/ふたつの「介護予防ケアマネジメント」/消費税で追加された包括的支援事業/地域ケア会議の開催/利用者がいない/ 「財政的インセンティブ」/ケアマネジャーの「資質向上」とは/ケアプランの事前チェック/ケアマネジメントの有料化/ 「aiケアプラン」
3 ホームヘルプ・サービスの受難
六〇年以上の歴史/ホームヘルプ・サービスのメニュー/ 「家事援助」をめぐる議論/ 「廃用症候群モデル」/介護予防ホームヘルプ・サービスの新設/ 「通院等乗降介助」の制限/ 「同居家族」という制約/ 「生活援助」の時間短縮/給付と事業のちがい/定期巡回・随時対応サービスの登場/介護予防ホームヘルプ・サービスから訪問型サービスに/介護保険が期待する「地域の支え合い」/要介護1、2への「生活援助」/ホームヘルパーの「機能分化」/ 「生活援助」の利用回数/ 「統計的な数字」による基準
4 特別養護老人ホームの条件
利用者と待機者/ 「総量規制」という制限/特別養護老人ホームをつくる費用/ 「真に入所が必要な者」は四万人/要介護3以上が原則に/待機者は半減/空き部屋と職員不足の関係/介護医療院の登場/有料老人ホームは九倍に/サービス付き高齢者向け住宅は激増/利用するのは在宅サービス
7章 介護保険を問いなおす
1 介護報酬の課題
介護報酬の推移/介護労働者を確保するためのプラス改定/期間限定の介護職員処遇改善加算/人件費の試算/加算報酬の課題/二〇一八年度予算と第七期改定/ 「医師の指示」が必要な加算報酬
2 介護保険に求めること
「そのままの状態で尊重」されること/介護保険のアセスメント/ 「在宅認定者の全国実態調査」の実施/ケアマネジメントは独立型の事業所に/ 「現金給付」の再検討/利用料は「応能負担」に/介護保険と医療保険の役割分担/社会保障審議会のありかた
3 介護保険に市民としてできること
介護が必要な人は「立ちあがれない」/介護をしている人には「ゆとりがない」/介護未満の人からのアプローチ/介護保険事業計画に関心をもつ/被保険者のための苦情解決機関/パブリックコメントの活用
4 「総介護社会」にむけて
若い世代の負担/介護保険と障害福祉サービス/六五歳以上は「保険優先」が原則/障害者総合支援法の成立/ 「共生型サービス」の登場/ 「介護がある暮らし」の普遍化を
感想・レビュー
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ステビア
メガネ@ポテトライナー
まゆまゆ
てくてく
amanon