内容説明
ステージで凄惨な死を遂げたオリバー。彼を含め《マンハッタン・マジック・ホリデーズ》に集った四人のマジシャンは、マックス・キャンドルとともに、青春のひとときを過ごしていた……1940年、ドイツ軍占領下のパリで。マロリーが徐々に明るみに出していく彼らの秘められた過去。幻影としてマラカイの心に生き続けるルイーザの実像と、彼女の死の真相。だが、オリバーと彼の甥をとらえた死の罠は、マジックのステージで、次の犠牲者を待ち受けている。“失われたイリュージョン”のクロスボウの前で、絞首台で、鋭利な刃を持つ振り子の下で……。マロリーさえも翻弄する奸智に長けた犯人に、彼女の怒りは静かに燃え上がる!/解説=霜月蒼
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yumiha
38
下巻すぐにマロリーがプレゼントした超高級コートの訳が分かった。私の予想は大外れ。まだまだマロリーの言動は、読めませんのう。『天使の帰郷』のクライマックスは、ハリウッド映画みたいだったが、本書のクライマックスも派手。13階段を上った演題で待っている“死のイリュージョン”が観客の前で繰り広げられる。演じるのは、ドイツ占領下のパリの地獄を経験した老マジシャンたち。特にマラカイの存在感は、ハンパないっす。きっとマロリーは憎悪とともに親近感を抱いていたことが行間に浮かび上がる。だから過剰なラストがあるのだと思った。2020/01/19
tom
20
第二次世界大戦中に起きたマジックの公演で死んだ女性を巡る愛憎を下敷きにしたミステリー。でも、大昔のことだから、捜査は関係者からの聴聞で進む。名付けて「尋問ミステリー」。マロリーは、尋問から得た情報から推測し、嘘とハッタリで関係者からの尋問を続ける。延々とこれが続くのがこの本。読んでいる私は疲れ果てた次第。マロリーが登場する次の作品は、たぶんこの本以前の「普通の」ミステリーに戻るはず。これを期待して次作に進む。2020/12/16
Hugo Grove
16
おおがかりなマジックイリュージョンが舞台なのだが、それに関心のない私は退屈してしまった。次に行こう。2017/04/11
Hugo Grove
11
ちょっとマジックの仕組み種明かしにこだわりすぎてミステリーとしてのテンポが悪くなってる。その上じょうぜつなので退屈。そして何よりまずいのが、マロリーがマロリーらしくない。今まで読んだオコンネルの作品の中で、面白くなかったのは初めて。残念。2014/05/24
elf51@禅-NEKOMETAL
9
キャシー・マロリーシリーズ第5弾。奇術の最中にクロスボウで殺された老奇術師,もっぱら奇術の謎を解くところにページが割かれているが,なかなか分かりづらい。映像になればわかりやすいが。第二次大戦中の若い奇術師たちの間で起こった謎に迫るわけだが,動機もそんなところかと意外な感じはしない。最後,ステージの上で奇術が行われる中での殺人と舞台裏でのマロリーと犯人の対決は確かに面白いかも知れない。ラスト,マロリーが立ち去る姿が映画的でいい。やはりこの作品はキャシー・マロリーその人を描く作品なのだろう。2023/05/15
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