創元推理文庫<br> 恋牡丹

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創元推理文庫
恋牡丹

  • 著者名:戸田義長【著】
  • 価格 ¥774(本体¥704)
  • 東京創元社(2018/10発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784488436216

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内容説明

北町奉行所に勤め、若き日より『八丁堀の鷹』と称される同心戸田惣左衛門と息子清之介が出合う謎の数々。神田八軒町の長屋で絞殺されていたお貞。化粧の最中の凶行で、鍋には豆腐が煮えていた。長屋の者は皆花見に出かけており……「花狂い」。七夕の夜、吉原で用心棒を頼まれた惣左衛門の目の前で、見世の主が殺害された。衝立と惣左衛門の見張りによって密室状態だったはずなのだが……「願い笹」。惣左衛門と清之介親子を主人公に描く、滋味溢れる時代ミステリ連作集。移りゆく江戸末期の混乱を丁寧に活写した、第27回鮎川哲也賞最終候補作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

タイ子

84
「八丁堀の鷹」と言われた同心とあったのでどんな切れ者かと思いきや、確かに若かりし頃はそうだったのかも知れないけど、作中の同心は案外フツーの同心でした。事件の解決には周りからの助けもあって一件落着気味なところも。ただ、一話ごとに年数が経っているので、いつの間にか同心も隠居してたりその息子も結婚してたりでその間がないのであれ?と思う事しばしば。4つの物語はどれも面白いです。夫婦、親子愛、切ない女ごころが元の殺人事件。「花狂い」が胸にズンとくる哀しい事件。続編が姉妹編となっているのは興味あるところ。2020/10/11

sin

57
主人公が不在で、ぶつ切りと云う印象は否めない。例えるなら永く続いた連続時代小説の抜粋の様で、各々の物語を繋ぐ登場人物の人間模様や、父親から息子への世代交代といった物語の流れの要所すら間引かれてしまったようで、おいてけぼりに突き放された感じで戸惑いを禁じ得ない。そのミステリー部分の稚拙さはともあれ魅力的な登場人物と、物語に現した人情の機微が絶妙に感じたので残念な仕上がりに思える。2019/01/06

penguin-blue

42
時は明治に近い江戸、主人公の同心とその息子(のちにこちらが話の主になる)、探偵役は主人公とゆかりの花魁,後にという王道の舞台設定や謎の作り方は悪くないのだが、登場人物の心情も謎も、すべて言葉で説明させようとしすぎて多弁に過ぎる。そのため、登場人物の心情が軽く、騒々しく見えてしまうのが残念。こちらが時代劇に余韻や、抒情を求めすぎるのかもしれないけれど。2018/11/30

あさうみ

37
良書!!犯人当て、密室トリック、アリバイ崩し、動機探しとミステリーの肝が時代小説で味わえる!推理小説としても水準が高く、その上、親子や夫婦の絆、男女の想いにぐっと来た。主役の人情味ある戸田親子をとりまく女性陣が、これまた凛としているんだ…。時代小説音痴でも読める、いや、こういう時代小説を読みたかった!!!2018/11/06

タツ フカガワ

33
謎解き主体の連作4話を収録したデビュー作。北町同心で“八丁堀の鷹”の異名を持つ戸田惣佐衛門が手掛けることになったのは裏長屋で起きた殺人事件。だが、こんな動機で人ひとりを殺すだろうかと思った「花狂い」。吉原で起きた密室殺人事件が「願い笹」。被害者と一緒にいたのが惣佐衛門だったが、謎を解くのは花魁の牡丹でした。その後惣佐衛門は隠居して牡丹ことお糸と暮らし、息子の清之介があとを継ぐが、清之介の手掛けた事件もお糸が解決し(「恋牡丹」)、最後の「雨あがり」では妻の加絵が謎を解く、という何とも不思議な本でした。2020/09/03

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