内容説明
そこは、かわいい殺し屋たちが集う喫茶店。
夜の廃劇場。
最近越してきたばかりの街を探索しようとしていた池也迅太は、そこにいた。
そして、目の前でなにやら不穏に倒れている男をみて、そこで記憶はブラックアウト。
目が覚めると、何やらかわいい女の子たちが話しているのが聞こえてきた。
「やっぱり殺すしかないと思うの」
「でも、遺体の処理だってお金がかかりますし……」
あきらかに危険な会話。漂っているコーヒーの香りが不釣り合いだ。
迅太はなんとか命乞いをしようと手を尽くし、処理代を稼ぐ代わりに働かせてくれと頼んだ結果、晴れて殺し屋たちが営む喫茶店のウェイターになってしまう。
店を訪れる明らかに怪しい客たち。
これまでの常識の通じない少女たち。
それでも、これまでとはガラリと代わってしまった環境に、迅太は次第に馴染んでいく。そして、命の猶予は刻一刻と――。
だが、その殺し屋稼業の正体は……?
クセだらけの少女たちと、ただの普通の少年が、不思議な喫茶店で社会の闇に触れるとき物語は少しおかしな方向に動き出す。
殺し屋喫茶・エピタフ開店ですっ!
※「ガ報」付き!
※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
星野流人
43
裏稼業の人間の仕事の現場を見てしまった高柳迅太が、殺し屋たちの働く喫茶店でウエイターをすることになるお話です。裏稼業の物語ではありますが、殺し屋喫茶で働くメンバーは皆かわいらしく魅力的で、楽しく読める作品でした。迅太の手料理に懐柔されまくってるのは喫茶店モノらしくて楽しかったです。 殺しの依頼を受けてからはきな臭い展開にも突入していきますが、迅太のガッツや機転で、素人ながらも裏稼業の人間相手に渡り合っていくのがかっこいい。女子高生で殺し屋の鉄火が、時々かわいい女の子らしさを見せるのが良いですね2022/01/24
まりも
37
殺し屋カフェに拉致監禁され自分の処理代を稼ぐ羽目になるハードモードから始まる一つ屋根の下系殺伐ストーリー営業開始。イラストが可愛らしいからって中身も可愛らしいとは限らない。喫茶店を舞台にしたゆるふわ日常モノを想像してこの作品を読み始めたらきっと痛い目に合うだろう。イラストからは想像できないハードボイルド具合にノックアウト食らう事間違いなし。シリアスの中にちょっとしたコメディを挟み込んだ絶妙なバランス感覚。これは中々出来ないんじゃないだろうか。日常と非日常のギャップ。それを楽しめる作品だと思う。2018/10/24
真白優樹
23
夜の街、禁忌のものに触れた少年が、殺し屋を名乗る少女達のホームであるカフェで働き、世の裏側に触れていく物語。―――ここは裏の世、意味を成すのは一つだけ。 誰にでも事情はあって、誰にでも願いはある。そんな幾つもの想いが混じり、どこか荒涼としたアウトローな香りと共に繰り出されるこの物語は、まるで珈琲のようにほろ苦く、ココアのように優しく甘い。そんな不思議な味が、寒い裏の世にある一抹の温かさと共に味わえる物語であり、殺伐の中にあるほのぼのと甘みがどこか癖になる、奥が深い物語である。 勿論、次巻も楽しみである。2018/10/19
しぇん
20
殺しの現場を目撃した為、組織に拉致されてしまった普通の少年な主人公。殺されないため自分の埋葬代は自分で稼ぐと交渉した地点で既に普通ではありませんでしたが…。自分の信念のために殺されることも厭わない主人公の胆力が最期まで凄かったです。2018/10/25
サケ太
19
少年が突然非日常に放り込まれながら、危機を脱しようと自分で色々と考えていく姿は面白い。自分の選択が原因で、うじうじし過ぎないのは良い。未熟さも多く、それぞれの少女たちとの交流も楽しい。シビアな部分とライトな部分があり読みやすい作品。2018/10/20