内容説明
人類の歴史は戦争と共にある。しかし、戦争の様相や捉え方は地域や時代により驚くほどの変転をなしている。我々はそれらをどう理解し、どのような方策をもって戦争の抑止へとつなげていけばよいのか。戦争の起源から将来像まで、第一人者が様々な思想を横断しつつその核心に迫る。日本における「戦争学」の誕生を告げる試論の登場。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
白義
17
現時点での、戦争に関する学問的成果を集成し新たな学際的テーマとしての戦争学の創造を提唱した本格的入門書。未邦訳も含めた基本文献の議論をかいつまんで紹介しつつ、著者なりの総括と展望を描いている。実践的な戦略に哲学的考察、戦争と社会の相互関係と、内容はどのテーマも高度で、タイトルの残念感を一瞬で払拭するに十分な水準。特に、社会的な現象としての戦争に詳しく、総動員体制と平等化の関係や、戦争の勝ち負けを規定する社会的条件など、短いながらも本格的な構成。参考文献もかなり充実している2014/04/21
無重力蜜柑
5
まとまった体系や個別話題を示すというよりは「戦争学」に関する色々な議論、視点、論者、史実をバラバラと提示するタイプの本。とはいえ教科書的にまとまっているというわけでもなく、やはり「戦争学」を日本で作るための「原論」なのだろう。日本の戦争学研究が他の先進国に遅れているのは間違いないだろうが、それにしても他国の水準だって他の社会科学に比べれば相当酷いもんじゃないのかと思う。経済学や政治学と比べてどうだ。社会学と比べてさえ相当原始的なことやってる気がする。2021/07/01
まぶたのあるいきもの
3
戦争学を打ち立てるという野心的な試み(だったはず)文章は明解だし、多くの戦争とは何かから、どのような目的・方法で戦争が行われてきたかも歴史的に書かれています。議論も多角的かつ網羅的でかなりフェアな印象を受けました。ただほとんどが欧米の研究者の引用と批判であり、石津氏の考え方というのはあまり示されていないように思えます。これでは石津氏が批判するマンデルバウムと同じではないでしょうか? 個人的にはルトワックの戦争のパラドックスの主張など大変興味深く読めたので満足ではありますけど…2015/01/30
sk
3
戦争学の優れた体系書。網羅的な記述がとても面白い。これなくして戦争は語れない。2015/03/06
ひろし
3
戦争の新しい形に示唆を与えてくれる一冊。平凡なタイトルだけど、クレフェルトやマーレー、マイケル・ハワードなどの議論を押さえた上で歴史や社会から戦争にアプローチしている点が良かった。戦争といったら、やたら作戦ばかりを強調したり、こり固まった元J◯官とか保守論者が多い印象があるが、クレフェルト以来の衝撃を受けた。2013/05/14
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