内容説明
農水産物の一大供給地であった福島は、3・11以後、現在にいたるまで、「デマ」や風評が飛び交い、苦しい状況に追い込まれている。一方で、原発事故と震災の忘却は着実に進行している。本書は、流通や市場の課題、消費者とのコミュニケーション、差別の問題などから、「食」について多面的に論じる。「食」を通して、あの事故がもたらした分断を乗り越えられるのか――。これからの社会を考える試み。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おさむ
38
3.11直後から食品の放射能の問題をめぐり、地元や福島の架け橋になりながら、コミュニケーションを重ねてきたという著者。複雑なこの問題を時に悩み、逡巡しながらも丹念に解きほぐしていくその姿勢に好感が持てた。科学的なリスク判断、原発事故の責任追及、農林水産業の復興、エネルギー政策の4つを切り分けて考える必要があるとの指摘には納得。福島産食品へのうっすらとしたネガティブなイメージは、距離が離れれば離れるほど強まるという。その払拭には価格、お値打ち感に加えて、社会的価値観に訴えていくというスタイルは効果的だと思う2021/02/05
ぐうぐう
33
この新書の素晴らしいところは、「原発推進派」対「脱原発派」といった二項対立の構図で語っていないところだ。そのどちらの派もが、政治的立ち位置を反映することで分断が大きく広がっているとし、問題を整理し、切り分け、対立する派の双方に理解を示しつつ、日常的な場での歩み寄りと話し合いを提案している。そこでまず著者は、風評のメカニズムを解明することから始める。ひとことで「風評」と言っても、様々なシチュエーションが存在し、それは品目の違いにも如実に表れている。(つづく)2018/05/03
かごむし
27
福島の原発事故の放射能が食に与えた影響、実際と風評被害、数年後の現在の状況、人々の意識の変化、など。僕はこの本に書かれていることをほとんど知らなかった。放射能のホットスポット報道のあった柏市の円卓会議の事務局長であり社会学者である筆者は、僕のような無知な人間と、科学的な知見に基づいた判断をする人とのSNS上での対立を挙げ、分断ではなくどうしたら分かり合えるのかということも論じている。福島の食の問題の正確な理解からはじまり、それを社会学的な切り口で論じる本書は、広範なテーマを含んでいて、多くの学びがあった。2020/03/22
ゆきこ
18
原発事故が福島の「食」に及ぼした影響についてまとめた一冊。売上が落ち込んだ原因や今後のあり方についての考察はとても勉強になりました。今や原発自体が極めて強い政治性を帯びてしまっていて、原発事故についての正しい知識を得る機会が少ないこと、フラットな目線で議論がしづらいこと(原発の話題のタブー化)が問題だなぁと感じました。2018/07/31
もえたく
17
風評被害の悪い風化。忘れさられるのではなく悪いイメージだけが残る。払拭するためには必要なデータのアップデートが肝心。震災後の福島を、学生時代に畜産を学んだ漫画家端野洋子描いた『はじまりのはる』も読みたくなりました。2018/07/04
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