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内容説明
モンゴルの南、内モンゴル地方。19世紀末から中国の植民地となったこの地に日本が現れ、その三分の二が実質的に満洲国の一部となるが、残り三分の一のオルドス地方は国民党支配下にとどまった。そこへ毛沢東が現れ、抗日と反共の間で揺れるオルドスをやがて悲劇が見舞う。日本の敗北にともない起きた国共内戦、中国共産革命によって内モンゴル全体が蹂躙されていく――。諸勢力間で翻弄された草原の人々の激動の歴史を、その地を故郷とする歴史人類学者が鮮やかに描き出す。
目次
第一章 清朝は遠くなりにけり──雪花如意・蘆占魁・出口王仁三郎/第二章 赤い都市と赤い英雄──日本統治時代のモンゴル/第三章 赤い太陽と「草原の黒い霧」──中国共産党の内モンゴル占領/第四章 万里の長逃──中国共産党によるモンゴル分断/第五章 草原に咲くピンクの花──中国共産党とアヘンの侵入/第六章 呪われた蒋介石と毛沢東──国民党と共産党のはざまで/第七章 天運尽きて、時勢に流るる──モンゴル人自決運動の挫折/第八章 エーデルワイスに散る──モンゴルを滅ぼした大量虐殺/第九章 女たちの「革命」
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Porco
14
内モンゴルの現代史を初めて知りました。2019/07/08
筑紫の國造
9
中国革命を中国の視点ではなく、モンゴル人の視点から描く。自分もあまり知らなかったが、清朝崩壊後のモンゴルの波乱の歴史に驚かされた。大日本帝国、ソ連、国民党、そして中国共産党の間で離合集散しながらも、なんとか独立を求めて奔走する様は、苦闘以外の何者でもない。特に中国共産党によって利用され、自治を踏みにじられた歴史は、20世紀の忘れてはならない悲劇のひとつだろう。そして著者いわく、日本の中国研究ではこうしたモンゴルの悲劇はあまり顧みられていないという。チベットやウイグルだけでなく、ここにも悲劇がある。2019/08/19
sakadonohito
7
内モンゴル出身の著者が内モンゴル地域を中国共産党支配が確立されるまでどのような事があったかを書く。最後まで独立しようとしていた内モンゴル部族を討伐したのは、旧満洲出身で後に中共軍に組み込まれた当時最新であった日本の装備と訓練を受けた同じ内モンゴル人の部隊だったと知ってやるせなくなった。支配に至る過程で内モンゴル人に対しかなり酷い扱いをしていたようだ。ニーチェは中国は徳治を理想とするが、実際一番足りない要素が徳だと言及していたらしい。人権に即した道徳教育って大事だなと感じた。結構ヘヴィな内容。2024/11/19
(ま)
0
罌粟の花、砂漠化2018/10/28
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