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内容説明
芥川賞ほど華やかではないが、作家が「欲しい」新人賞である菱田賞の候補となったスギウラ。
なぜか家に泊っていったヨサノの件もあり、なにかと落ち着かない日々を過ごすが……。
朝日新聞、東京新聞、北海道新聞など、各紙誌書評で大絶賛!
先生でも、天才でもない、純文作家の日常物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
吉田あや
65
文学賞にノミネートされたスギウラくん。発表の日の「待ち会」に集まってくれる仲間たち。集合場所は「公園の芝生」。ピクニックをしながら緊張を紛らわせつつ一緒に待ってくれる仲間、素敵だな~。小説に限らず、何かを作る生活の視点が自然に描かれているところがとても好き。何かを生み出す生活に思考の休息はない。自由な思考と不自由な現実の狭間で、不器用ながらも「ものすること」「生きること」を続けていくスギウラくんの日常をまだまだゆっくりとながめていたい。2018/10/27
アマニョッキ
47
長嶋有さんの次に、今一番好きな作家さんかもしれない(あえて作家さんと呼びたい)オカヤさん。決して文字が多いわけではないけれど、オカヤさんの作品は間違いなく「言葉」の漫画だ。かと思えば、芝生に舞うひらがな、雨にぬれながらの夜明け前、縁側での麦茶、たまに差し込まれる見開き一頁のちからにどきりとする。オカヤさんの世界に永遠に触れていたいと思うのに、ああ、なのにもう読み終えてしまった…。記憶を消してもう一度最初から読みたい。それが無理ならもうオカヤさんの漫画の世界で暮らしたい。2018/10/15
さすらいのアリクイ
14
小説家が主人公のマンガ。マンガの最初の印象は画も話も静かだなと。このままの調子で行くのかなと思いながら読んでいくとその静かさの中に登場人物たちの思考、欲望、気持ちが潜んでいることがわかる。あとはじわじわと来る話のリアリティ。2週間小説を書いてない主人公が窓を拭きながら「目の前にいつでも「すること」はある」と思ったりとか、その主人公を知っていて自分で小説を書いている大学生の男が俺は何者でもなくて、あの人は作家だと語る場面とか。地味なマンガ。しかしその地味の中に色々なものが入っていて、読みごたえがあります。2018/11/09
Nao Funasoko
14
「装丁のきれいな本にハズレなし」と思っているのだがこれもソレだ。 新刊コーナーにあった2巻の表紙カバーがとてもきれいだったので1巻も探してあわせて購入。 小説家というのは頭の中で常に言葉をまわしているのかしらん。言葉遊び面白そうなので誰かとやってみたい(笑)。2018/11/09
メセニ
10
一巻を読んだ時ほどグッとくる描写だったり言葉が正直なところなかったんだけど、たぶんそれは物語の良し悪しよりも自分の側の精神状態だったりタイミングなのかな。純文学作家とその仲間内との淡々とした日常の佇まいはあいかわらず好きなんだけどね。いずれにしろ続きは読んでみたい。2018/10/17