内容説明
2004年8月激しい地震と高潮に洗われながら、太平洋岸から海洋国日本はその姿を没しようとしていた。東京大学海洋研究所の水沢博士は1年後の日本列島沈没を予測した。直ちに天童総理に報告され今後の対応を進言する。秘密裏に移住・移民計画が推進され、国連の協力により1億2000万の大移動が実行された。不幸中の幸いで、沖縄を含む南西諸島だけはその惨禍を免れ、辛うじて日本は存続することができたのである。西暦2013年、科学の粋を結集した時航機『やしま』は日本政府の期待を一身に浴び1942年12月6日、太平洋戦争が今まさに始まろうとする時代に飛び立った。日本沈没を救うため、過去にさかのぼり歴史を書き換えようというものである。その使命を預かったのは安武龍一、寺崎保、木代伸介の3人であったが…。
感想・レビュー
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ノリピー大尉
5
地殻変動によって日本は国土の大半を失い、国民の大部分が移民となって世界に散った。日本の復興を目指す政府は極秘に開発した時航機(タイムマシン)で、3名の工作員を1941年12月に送り込む。その目的は後の領土を拡大するため、太平洋戦争に介入して戦局が有利になるよう歴史を操作することにあった。開戦を目前に控えた12月4日、特急「富士」の車中で山本五十六は奇妙な人物から声をかけられた。未来から来たというその男は、極秘であるはずの真珠湾攻撃を知っており、しかも米空母は真珠湾にはいないというのである。2014/04/19