内容説明
関ヶ原以来、十五年を隠忍自重した家康が、七十三歳にして宿願の豊臣家打倒に立ち上がる。堅固な大阪城に長期戦は不利とみた家康は、総濠埋立てを条件に一旦和睦する。その後、再び秀頼を挑発、再戦の端緒を掴むのだった――。
戦国乱世を負けながらも生き抜いた、稀有な男の不屈の精神を余すところなく描いた大長編。
感想・レビュー
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yoshida
130
下巻では大坂の陣と家康の死までを描く。東西の手切れによる大坂冬の陣。後藤又兵衛や真田幸村の説く積極策も、徳川の間者である小幡景憲らの反対により取り上げられず。総構えによる大坂城に豊家と浪人衆は籠城する。真田丸等の攻防により、東軍は出血を強いられる。大筒の乱射により大坂城は天守閣に命中弾を受け城内の淀殿らは動揺。良いように家康に和議を飲まされる。豊家は普代はおろか一門衆も頼りにならず、太閤の死により運命は決まっていたとも言える。局地戦で負けても政治力で自身を高く売る家康に華やかさは無いが、質実剛健である。2017/01/03
イエテイ
0
家康の人生の集大成、大坂夏の陣・冬の陣。局地戦では勝ち負けあるものの負けない戦いで有利な状況を作り、惣構え惣濠の埋め立てなど調略で圧倒。司令塔のいない豊臣家にとっては相手が悪すぎた。関ヶ原と大坂の陣の2戦で見ると家康は見事に腹黒い。後藤、真田らの奮戦も魅力的に書かれている。2018/08/18