内容説明
「特飲街」と呼ばれた売春の街、宜野湾市・真栄原新町。沖縄の戦後史の闇を妖しい光で照らし続け、浄化運動の波に消された街を活写した渾身のルポルタージュ。
目次
序章 眩い街へ、妖しい光へ
第1章 消し去られた街、生の痕跡
第2章 変貌する夜に生きる者たち
第3章 闇社会の収奪システム
第4章 娼婦とヤクザと革命――幻の映画『モトシンカカランヌー』の「アケミ」を捜して
第5章 歴史の底に置かれた売春女性――佐木隆三が見た沖縄
第6章 「レイプの軍隊」と沖縄売春史
第7章 売春街の子どもたち
第8章 浄化の論理と、夜の身体と
終章 作家・沖山真知子の記憶
あとがき、あるいはゴーストタウンの路上でのつぶやき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
どんぐり
98
米軍駐留と密接に関わる売春街「真栄原新町」を中心に、沖縄のアンダーグラウンドに光を当てたノンフィクション。真栄原新町は、戦後、米兵相手の売春を背景に発展し、最盛期には100軒以上の違法風俗店が存在した。「新町」は地図にない通称で、基地周辺に形成された色街を指す。女性たちは経済的困窮や家庭の事情からこの街に流れ着き、搾取の構造の中で生きてきた。2010年頃になり、官民あげての「浄化作戦」により色街のワンブロックが消し去られた。この街がどのように生まれ、発展し、消え去っていったのか、→2025/07/25
のんすけ
39
とんでもない物を読んでしまった。沖縄に先日行ったばかりの私の脳裏に、沖縄の青い海が広がり、それと同時に地元のおばちゃたちの笑顔が浮かぶ。あの笑顔の裏には壮絶な沖縄戦を生き抜いて来た人たちの悲しみがあったのだということを、ともすれば忘れてしまっている自分がいた。同じ時、同じ立場にいたら私もそうであっただろう女たちの生き方。忘れてはいけないことだと思う。2018/11/11
ちゅんさん
23
沖縄は青い空に青い海だけの島じゃない、今まで語られなかった闇の一面がある。そしてその闇の中でしか生きてこられなかった人たちがいる、それを“浄化作戦”として消してしまっていいものかどうか。いろいろ考えさせされた。まさに沖縄の「もう一つの戦後史」だ。2018/10/04
宇宙猫
22
★★ 複数の視点から売春について書いているが、時間軸が幾つかあるせいで混乱するし、内容が繰り返しになり分かり難かった。米兵が諸悪の根源のように書かれているけどそうなのか。女性の悲惨な状況は米兵の事を除けばどこでも起こっていることだろうし、米兵に関してもアメリカの統治下で米軍基地の周りでは同じ状態だったんじゃないかな。返還後の米兵の女性に対する犯罪は売春街とは別のことだし、客は日本人に変わったのに、返還後も長らく売春街があることと米兵を結びつけるのは違和感があった。2023/12/12
今庄和恵@マチカドホケン室コネクトロン
14
やりきれない読後感。売春ではなく買春だとよく言われますが、買春どころか性的奴隷。吉原の女郎なみに理不尽に借金を背負わされ搾取され続ける。米兵という侵略者からまもるための慰安所という理屈、ちっとも守られていないではないですか。己の欲求のままに乱暴に扱っていいという勝手な思いを強化するだけ。沖縄に性被害が多いのはもちろん米軍のせいだけど、沖縄をアメリカに差し出した日本の非道ぶり。性の防波堤などという考えはあってはならない。2025/10/19
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