内容説明
レンタルビデオ店でアルバイトをしている39歳・独身のしがない「ぼく」のもとに、
ある日、<W.R.D.>という団体から一枚の請求書が届く。
そこに記されていたのは、信じられないほど高額の請求。
それは、ぼくが「これまでの人生で経験してきた幸せの対価」だという。
金も地位も名誉もない。
友達も少なく、ついでに長年恋人もいない。
たいした人生を送っていないぼくが高額の請求を受けたのはなぜなのか?
ぼくは本当にそんなに幸せな人間なのだろうか……?
本当の幸福の意味を教えてくれるスウェーデン発の小説、待望の邦訳!
【主な登場人物】
・ぼく:主人公。この物語の語り手。レンタルビデオ店でアルバイトする、しがない39歳の男性。
・モウド:<W.R.D.>の電話担当者。
・スニータ:「ぼく」の元恋人。インド人留学生。
・ローゲル:「ぼく」の友人。
・ギオリィ:<W.R.D.>の職員。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yazue
3
39歳、レンタルビデオ屋で9年アルバイトをしている。経済的な余裕はない。ささやかなことで満足できる性格。両親に愛されて子ども時代を過ごした。彼に届いた人生の請求書は有り得ないくらい高額で「何で?」と疑問を感じた。だが読み進めるうちに、幸福っていうのは考え方、感じ方次第なんだな、と思った。2018/10/13
Kaoru
2
幸福に値段をつけられた男性の話。人生の請求書という発想が面白かった。幸福度が高い=大きな困難がないので、払う能力がなかったのかと思うと、皮肉な話だと思う。自分はどの値段がつくのだろうか、と思うと恐ろしい。2023/12/07
いづむ
2
幸せを主観でなく、客観的に判断した状況やおかれた環境や体験した事ごとで他人に数値で評価されるという、世にも恐ろしい状況に陥った男性の物語。大過なく安定した状況で生きることと、結果的に深い傷が残るほど劇的でサスペンスフルともいえる時間を過ごすことと、どちらが幸せなのか。。。考えさせられる。2018/12/23
械
2
人生を客観的に審査され、その額を決定されて支払わせられる。 うまくいかなかった日々が幸福度合いの感覚に影響を与える着眼点には、感動した。映画を観たような読後感があり、翻訳ものを読まない人にもおすすめできそうだ。2018/12/02
chiro
2
今までの人生の幸福度によって、国から請求書が送られてくる世界の話。 主人公は負け組なのに前例のない額になる。 決して重いストーリーではなく結構声をあげて笑える部分もある。 この本を読むと幸福の定義とは何か? 自分の幸福度がどの程度なのかを知る事が出来る。 私自身語るのが恥ずかしい程の生活だが、そんなに悪くない人生だと思えてくる。 お薦めの本!2018/09/17