内容説明
本書は第31代アメリカ大統領ハーバート・フーバー(任期1929‾33)が第二次世界大戦の過程を詳細に検証した回顧録です。
誰もが避けたいと思っていたにもかかわらず、二度目の世界大戦が起こってしまったのはなぜか。
そして、あの戦争についていまだ語られざる真実とは――。
「正義の連合国」対「邪悪な全体主義国」という従来の見方を真っ向から否定する本書は長いあいだ公にされませんでしたが、2011年に米国で刊行され議論を呼んでいます。
さまざまな情報にアクセスできたアメリカの最高権力者が、20年の歳月をかけて完成させた第一級の史料です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
absinthe
92
書籍の物理的な重さも含めて、重い本。戦後の話なので大戦自体は終了しFルーズベルトも他界した。その後も米ソのせめぎあいは終わっていなかった。大戦に引き込むためにソ連に大幅譲歩する形の政策がその後、共産主義の横暴を招く。『カチンの森』の言及まで出てきた。ソ連は大戦終結で不要になった武器、さらには日本軍から接収した武器の大半を中国共産党に譲渡。とんでもない援助をしてしまう。その他、極東情勢でも原爆不要論などもかなり深堀されている。話題に事欠かない。2025/07/16
kawa
32
45年4月のヤルタ会談における東欧や中国・日本に関するスターリンとの秘密協定批判から始まる。秘密協定により「ルーズベルトとチャーチルは、和平構築と秩序を崩壊させた」(46.2.14ニューヨーク・ワールド・テレグラム紙)と言う。ソ連参戦勧誘のための賄賂的秘密合意は大失敗、それらにより、戦後の世界秩序は共産党勢力が大躍進する結果を招いた。後半は、本書のデータに基づくポーランド、中国、朝鮮、ドイツのケーススタディが掲載されている。どれも興味深いのだが、結果として米・英・ソから騙されたポーランドの例が悲惨だ。2020/10/01
koji
18
私たちが読書、中でも歴史書を読む価値は、決断の過程を歴史から学び、正しい価値判断を滋養することにあります。著者(フーバー)も「歴史家の役割は、人々の行動の結果を吟味評価し、ほかに取り得べき道はなかったのかを検討すること」と言います。本書が描く第二次大戦における裏面史は、著者にとってまさに歴史のifを何度も試行し「あるべき=あったはずの姿」を思い描いた活動だったと思いました。私も本書を決断の書として繰り返し読み続けたいと思います。最後に、フーバーが未来世代に託した自由国家アメリカはどこにいったのでしょうか2021/02/10
hdo obata
14
ついに読み終えた。上下巻合わせて二ヶ月かかった。 第二次大戦の結果、だれが一番得をしたのか?スターリンであり、毛沢東である。この結果に至るのにだれが一番貢献をしたのか?ルーズベルトである。アメリカの国益を考えると、参戦する必要はなかった。独ソを思う存分戦わせ、高見の見物をしていれば良かった。ドイツも日本もアメリカと戦争する気はなかった。窮鼠猫を噛むで、日本から手を出すように仕向けたのはアメリカであった。「中ソの利益」のためアメリカは戦ったのだ。この本の著者が元大統領という意味はとてつもなく大きい。2018/02/28
おおとろ|内省的ストーリーテラー
13
☆☆☆☆☆ 再読後、書きたいと思います。読むのに疲れた😓2020/09/09
-
- 電子書籍
- 気絶勇者と暗殺姫(話売り) #117
-
- 電子書籍
- トリガー~僕の復讐劇~【タテヨミ】第7…
-
- 電子書籍
- 君がトクベツ 分冊版 SIDE [S]…
-
- 電子書籍
- 忍者猿飛佐助(下)(電子復刻版) 徳間…