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内容説明
「雪はげし抱かれて息のつまりしこと」ときに情念深く、ときに非情。その底に宿る可笑しみ――。全五句集に補遺、貴重な自句自解、師・山口誓子による解説を収録する初の文庫版全句集!新解説・小池昌代
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
あきあかね
27
「雪はげし抱かれて息のつまりしこと」 俳句というと、侘び寂びや枯淡といった静的な印象があったが、橋本多佳子のこの句に出会って、激しさや恋情も存分に描きうることを知った。 津々浦々の旅の句や自然の情景を詠んだ句もいいが、やはり橋本多佳子の魅力は、少女のような瑞々しい感性と浪漫に満ちた句にある。 「星空へ店より林檎あふれをり」「寒星ひとつ燃えてほろびぬ海知るのみ」「日を射よと草矢もつ子をそゝのかす」「雪窪に雪降る愛を子の上に」「華麗なるたいくつ時間ばらの園」 他方で、若くして夫を亡くした多佳子の句には、⇒2019/11/10
双海(ふたみ)
12
女心と物語性に満ちた句で、戦後俳壇の女流スターと称された多佳子。さびしくも美しい句を堪能する。「露のあさ忌にゐてをみなは髪を梳く」「来し方や昏き椿の道おもふ」「水仙のりゝと真白し身のほとり」「月いでてわが袖の辺も朧なる」「七夕や髪ぬれしまま人に逢ふ」「木犀のにほひの中に忌日来る」2024/09/04
maju N.
5
う、上手い。題材の取り合わせは独創的である。どちらかといえば写生の句よりも、物語的な含みをもった句が多いが、そういう句にありがちなつくった腐みを感じさせない。ガラス玉に閉じ込めた小世界を眺めるような心持ちになる。まだまだ凄い人をスルーしてぼんやり生きてるものだなと思う。2023/11/21
あや
4
旅先の句、家族の句が良いです。小池昌代さんのエッセイも素敵です。2019/01/18
nimo71
0
全句集というものを初めて詠みました。歳時記に載ってるような代表句以外にもこんなに詠んでいたんだ。蛍籠の句と星空へ店より林檎あふれをりの句が好き。2024/12/01
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