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内容説明
「雪はげし抱かれて息のつまりしこと」ときに情念深く、ときに非情。その底に宿る可笑しみ――。全五句集に補遺、貴重な自句自解、師・山口誓子による解説を収録する初の文庫版全句集!新解説・小池昌代
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あきあかね
26
「雪はげし抱かれて息のつまりしこと」 俳句というと、侘び寂びや枯淡といった静的な印象があったが、橋本多佳子のこの句に出会って、激しさや恋情も存分に描きうることを知った。 津々浦々の旅の句や自然の情景を詠んだ句もいいが、やはり橋本多佳子の魅力は、少女のような瑞々しい感性と浪漫に満ちた句にある。 「星空へ店より林檎あふれをり」「寒星ひとつ燃えてほろびぬ海知るのみ」「日を射よと草矢もつ子をそゝのかす」「雪窪に雪降る愛を子の上に」「華麗なるたいくつ時間ばらの園」 他方で、若くして夫を亡くした多佳子の句には、⇒2019/11/10
maju N.
4
う、上手い。題材の取り合わせは独創的である。どちらかといえば写生の句よりも、物語的な含みをもった句が多いが、そういう句にありがちなつくった腐みを感じさせない。ガラス玉に閉じ込めた小世界を眺めるような心持ちになる。まだまだ凄い人をスルーしてぼんやり生きてるものだなと思う。2023/11/21
あや
2
旅先の句、家族の句が良いです。小池昌代さんのエッセイも素敵です。2019/01/18