光文社新書<br> 土 地球最後のナゾ~100億人を養う土壌を求めて~

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光文社新書
土 地球最後のナゾ~100億人を養う土壌を求めて~

  • 著者名:藤井一至
  • 価格 ¥1,012(本体¥920)
  • 光文社(2018/08発売)
  • ポイント 9pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784334043681

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内容説明

「土」を掘るのを仕事にしている。こう言うと、何を好き好んで土なんて掘っているのかと思われるかもしれない。家や道をつくるためでもなければ、徳川埋蔵金を捜すためでも……ない。100億人を養ってくれる、肥沃な土を探すためだ。(「まえがき」を一部改変) 世界の土はたったの12種類。しかし「肥沃な土」はどこにある? そもそも土とは一体何なのか? 泥にまみれて地球を巡った研究者の、汗と涙がにじむ一綴りの宝の地図。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

やすらぎ🍀

224
なかなか光が当たらない存在の「土」には未知なる可能性が眠る。地球には12種類が存在するという。裏山にも土はあるが、世界中を探検しなければ全種類とは触れ合えない。遥かなる土を求めての旅。愉快で丁寧な文章は読みやすく、視野が広がっていく。この星の大陸にある肥沃な土壌、そこに人間は自然と集まっていく。各々の土の特性を調べて土壌を改良する術を研究する目的は人類のためである。作物を作れば土から栄養が奪われる。人間は土を質でも量でも使いすぎている。土を大切に。植物を支える土をこれまで以上に愛しく見つめてしまうだろう。2023/10/04

ニッポニア

72
これは面白いなあ。土ですよ、身近すぎて舐めてましたよね、みんな。これがないと人類は何もできなかったんですよ。以下メモ。裏山、を探索する奥深さ。月に有機物はなく、植物を育てる土壌はない。農業をするための有機物の絶妙な混ざり具合、永久凍土では植物は育たない。現実は楽観的で、土壌劣化の場所でも、まだまだ植物は育っている。奇跡的な水と有機物の量が地球の繁栄を支えた。100億人が食べていける土壌を生み出さないと地球に未来はない、もうまもなくその時代へ。ミミズ、フンコロガシが土壌を耕す。やはり火山は人類を支えた。2024/03/24

六点

71
さて、何処にでもある土、その種類は世界にたった12種類しかないことなど、全く知ることは無かった。有機物に富むが、特定のミネラルに欠いた土。かといえばミネラルしかなく有機物に欠ける土、世界には多様な土がある。その中で農耕に向いた土は肥沃な土はチェルノーゼムと水田土壌だけである。とか、なぜそのようになっているか等多様な論点を軽妙な語り口で文系の読者にも楽しく伝えている。関東で広く蕎麦が食べられるのも、土壌の性質にその一因があったりするのだ。ありふれて貴重な土、その世界の奥深さに触れることが出来た。2019/02/22

saga

65
土壌学を専攻し、土を求めて世界を巡る。時に不審者として職務質問され、時にトレジャーハンターに間違われる著者。少し前にラジオ出演していたの聞いた記憶がある。全人類100億人を飢餓から救う壮大な目標! 12種類の土の研究は、いきおい農業と密接なつながりを持つ。日本の土は結構肥沃だと思っていたが、火山灰と腐植が堆積した酸性の黒ぼく土という分類になるという。畑は、確かに苦土石灰での中和が必要だし、肥料を施さなければ作物がうまく育たない。水田は、水を張ることで中和されるという視点が得られた。本棚は自然科学、農業へ。2021/10/05

やいっち

59
日本の水田は、環境条件に恵まれている。スギ林からのカリウムの含まれる養分補給がされている。山からの天然の肥料というわけである。連作障害が少ないのもメリットだろう。    ここには詳しく事情を説明する余裕はないが、著者は気になる指摘もしている。2019/01/06

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