竹書房文庫<br> 天才感染症 下

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竹書房文庫
天才感染症 下

  • ISBN:9784801915558

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内容説明

2008年フィリップ・K・ディック賞受賞作家
デイヴィッド・ウォルトン最新作

未知の菌の力によって知能が飛躍的に向上したニールの兄ポールは、アルツハイマー病の父チャールズまでをも菌に感染させ、ともに病院から姿を消してしまう。菌に感染して以来、ポールの行動は明らかに不自然だ。兄への不信を胸に、父を探すためアメリカへと帰国したニールだったが、無事に保護した父から衝撃の事実を聞かされる。 時を同じくして、菌の感染者によって勢力を拡大したブラジルの反政府組織〈リガドス〉が台頭。不可解とも思える拡散力で、ブラジルだけでなくアメリカ国内までをも混沌に陥れる。NSAにもその余波が押し寄せ、ニールによって解読されたリガドスの通信の暗号形式が、次々と別のものに切り替えられ、解読が困難になっていく。 菌の感染とともに影響力を拡げるリガドスの脅威は、世界規模の危機へと発展する。そしてその背後には、暗躍するポールの影があった。ニールが菌と人との狭間に揺れている間にも、リガドスはついにアルバカーキの核弾頭貯蔵施設への侵攻を開始する。


著者について

■著者略歴

デイヴィッド・ウォルトン
David Walton
アメリカ、フィラデルフィア在住。2008年にフィリップ・K・ディック賞を受賞した『Terminal Mind』でデビュー。著作に、量子物理学を扱ったSFミステリー『Superposition』と『Supersymmetry』、“平らな地球”が描かれるSFファンタジー『Quintessence』とその続編『Quintessence Sky』などがある。昼間はロッキード・マーティン社で働くエンジニアとして、そして夜には7人の子供の穏やかな父親として二重の人生を送る。

■訳者略歴

押野慎吾
Shingo Oshino
東洋大学国文学科卒業。卒業後いくつかの職を経たのち、現在は新聞社勤務のかたわら、フィクション・ノンフィション作品の翻訳に従事している。訳書に『地獄の門』(小社刊)などがある。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

goro@80.7

55
菌にとって住みやすい環境を作るため人は排除されなければならないのだ。核施設を襲い始める感染者。果たして自分の思考は自分の思考なのだろうか、もしかしたらすでに感染しているのかもしれません。光合成で生きる世界でエネルギー問題や食糧問題を解決するならそれはそれで素晴らしいか?2021/06/23

ざるこ

42
まず言いたい。裏表紙でネタバレするのやめてほしい。どう展開するのかが楽しみなのにガッツリ書いてあってがっかり。とはいえ夢中になりました!菌自体が頭がよくなる元なのではなく菌がよりよく生存できるために宿主の知性を伸ばすというもの。その間違った方向性が争いをうむことになる。情報は筒抜け、仕掛けた罠は裏をかかれる。感染しながら自身の意志と菌の望む状況が脳内でせめぎ合う二重人格状態も緊迫していてドキドキします。後に明かされるポールの理想とする新世界には驚愕でした。まるっと収まるはずがない不安が残る結末がいいです!2019/01/24

RIN

27
生存本能に長けた種である菌類が生存機会の拡大のために人間の脳に寄生し、宿主である人間をマインドコントールしていく本作下巻。人間vs菌類か?!と思うでしょ?ところがところが…。物語力で突っ走る本作。ま・さ・に・ハリウッド映画、です(笑)。2020/05/19

TSUBASA

23
人の脳を操る新種の菌に取り憑かれた人々、リガドスたちとアメリカとの戦争が始まる。菌のネットワークにより完全な統率がとれ、完璧な情報のやりとりを行い、感染者とそうでない人の見分けがつかないリガドスを相手にニールたちは如何に立ち向かうのか。軽快に読めたが、いかんせん詰めが甘いところが多いし、肝心の菌との決着はモヤっとしたラストだ。人類にとっての脅威となる新生物が現れた時、どうしてもそれ以前の世界には戻れなくなるというのが現実なのかもしれないけども。つーか菌を強くしすぎちゃった感はある。2018/11/16

tom

20
いろいろと突っ込みはできるのだけど、真菌が人間の脳みそに入り込み、行動を支配するという発想。真菌に支配されたかに見える行動そのものの成り立ちの理解。この展開はなかなか巧妙。実際のところ、トキソプラズマ(猫の寄生虫)が人間の脳に寄生して、行動を支配するという学説もある(たしか「心を操る寄生生物」に載っていた)。そうなると、単なる出鱈目小説ともいえないわけ。私としては、なかなか鋭いSFでした。2018/11/02

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