内容説明
二度と戻れないことを承知で、真珠湾の奥深く向った特殊潜航艇「甲標的」の搭乗員。敵潜水艦の危険を知りつつ、魔の海峡に突入した高雄型重巡戦隊。滅び去ることを目的に沖縄への特攻出撃を命じられた戦艦大和。幕末からわずか七十年足らずで世界三大海軍の一角を占めるようになりながら、3年8カ月の太平洋戦争によって消え去った日本の「いくさぶね」の姿が日米全調査で甦る。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
白義
8
太平洋戦争開幕前後から終戦までを、個々の軍艦とその戦いと共に順番に辿っている。日米調査を元にしていて興味深い内容多々あり。大和建造とロマン兵器甲標的の戦果から、欠陥を抱きながら修正されず、魚雷一発で沈んだ大鳳、武蔵や大和の壮絶な最期に、ビキニ湾に至る長門の激闘と、技術的な解説も多めながら劇的な海戦に触れられる。高雄型の最期やその一隻である鳥海の奮迅の活躍と、人気艦船が多く、矢矧のような軽巡、駆逐艦の戦いも知れる提督向けの一冊。戦艦信濃が空母になったことなども面白い2013/12/18
TEDDY曹長
1
艦隊史ではなく、船舶にフォーカスした独特な本。個人的には「大和」と「信濃」、「甲標的」の建造技術面から書かれた項に興味を覚えます。大型船になればなるほど進水が難しい物だとよく判りました。2012/12/25