岩波少年文庫ランサム・サーガ ひみつの海（上）

著者名：アーサー・ランサム/神宮輝夫

岩波書店（2018/08発売）

• ISBN：9784001141849

内容説明

北海横断の航海から帰ったウォーカー家の四人きょうだい．今度は船の赤ちゃんブリジットも一緒に，浮き沈みする秘密の島々に置き去りにされ，探検調査に乗り出します．ところがそこは地元の部族のなわばりで……．ふしぎな足あとの主マストドンや，ナンシイ，ペギイも加わって，大そうどうの冒険のはじまりです．

目次

目　　次

　１　冒険よ、さようなら

　２　前途に冒険

　３　未知の海へ

　４　探検隊上陸

　５　島流しの船乗りたち

　６　土地の住人にはじめて会う

　７　泥の上の動物の足あと

　８　マストドンのすみか

　９　野蛮人と友だちに

　10　マゼラン海峡

　11　戦いか探検か？

　12　血とヨーチン

　13　マストドン島

　14　魔女の桟橋

　15　マストドンの後悔

　16　敵 の 国 で

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[帽子を編みます]

ウォーカー一家の末っ子ブリジットがキャンプデビューする巻です。一家で探検して地図作りをする予定だったのですが、お父さんは急な呼び出し、お母さんはその準備。なら、子どもたちで探検すればいいじゃないと、見ず知らずの島に置いていかれた五人です。巻頭の地図、これは完成したものなのでチラチラ見るだけにして、ツバメ探検隊の苦労を一緒に味わいましょう。測量棒にコンパス、平行定規、ジョンとティティはやる気満々です。ブリジットと子猫は足手まといかも。野蛮人とも出会い湿地のガイドもおまかせ、うそ、海賊もやって来るの！楽しい！

2021/07/06

[Die-Go]

図書館本。ウォーカー家は皆で探検に出ることを楽しみにしていた。ところが、両親は来れなくなってしまうことに。末っ子ブリジットを仲間に入れての島流しをお父さんに提案されて、それはそれで楽しそう！白地図を手元に、それを完成させることをミッションに今回の冒険は始める。そして、新たな仲間に出会うが。★★★★☆

2021/12/07

[たつや]

いきなり、「冒険よ、さようなら」のタイトルに驚きました。間違えて最終巻読んでるかと思いましたが、大丈夫でした。冒険は続き、空白の地図埋めが楽しい。ウナギ族うざいと思ったり、ワクワク読めました。続きは下巻という。でも、このシリーズ長いなあ。ゴールはもう少しだけど。

2017/05/13

[ぶんこ]

この本の前作である「海へ出るつもりじゃなかった」がランサムに嵌まり込む第1作でした。今回は両親も一緒の、地図作製測量探検の筈が、ウォーカー中佐に急遽仕事が入り子供たちは島流しという設定になってのキャンプ。船の赤ちゃんだったブリジットと船の子猫シンバッドの6人。そこにアマゾン姉妹も加わります。D姉弟の代わりに登場したのはウナギ族の地元っ子マストドン。彼との血盟も済ませ、友好的に地図作りが出来ていたのですが、残りのウナギ族が現れ戦闘状態へ。下巻へ続きます。

2017/04/27

[ユメ]

今度の冒険は、秘密の多島海探検。子どもたちは、潮の満ち引きによって泥池にも変わる水路を測量しながら、自分たちだけの地図を作ってゆく。本文中にしばしば地図が挿入され、少しずつ更新されるのに胸が躍った。彼らのしていることは「ごっこ」だと片付けてしまうこともできるけれど、子どもたちだけで「島流し」にされ、自ら探検して地図に書きこむのはやはり本物の冒険でもあり、大人になった今でも羨ましく思う。今回から船の赤ちゃんブリジットも冒険に加わり、早く他のきょうだいたちのようになりたいという背伸びが可愛くて仕方なかった。

2017/12/16