「絶体絶命」の明治維新

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「絶体絶命」の明治維新

  • 著者名:安藤優一郎
  • 価格 ¥730(本体¥664)
  • PHP研究所(2018/07発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784569768007

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内容説明

混迷を深めた幕末とは対照的に、明治維新後の日本は「富国強兵」「文明開化」で目覚ましい発展を遂げたとされるが、本当だろうか? 実は、同じく武家政治を否定し、後醍醐天皇の親政を復活させながらも、急激な改革に失敗、わずか数年で瓦解した「建武の新政」の二の舞に危うくなるところだった――。本書は、「維新の立役者」である西郷隆盛の動きに注目しながら、首都の大混乱、深刻な経済不況、繰り返される“薩長の暗闘”など、討幕直後から崩壊の危機に晒され続けた明治政府の“不都合な真実”を描き出す。近代化の光に覆い隠された「本当の維新史」とは? 【目次】●第一章 西郷隆盛も嘆いた「新政府の腐敗」 ●第二章 「人材不足」に悩む薩摩・長州藩 ●第三章 繰り返される「薩摩vs.長州藩」の暗闘 ●第四章 西郷隆盛率いる「留守政府」の大混乱 ●第五章 薩摩・長州藩からの「反政府運動」 ●終章 「江戸ブーム」の到来と幕臣たち

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

maito/まいと

14
あんまり話題にのぼらない(気がする)のだが、司馬作品でもこの話題は取り上げられていた。なるべくしてなったと見てしまう明治維新、だが実態は失敗寸前のところまで追い込まれていた、世界的にも例を見ない紙一重革命だった。本書はそんな脆弱な状況の中で、なんとか盛り返そうとする政府側と、復権を図る旧幕府側との熾烈な駆け引きを明らかにした1冊。非常に読みやすくわかりやすい解説でおなじみの安藤さんが、明治初期の日本を丸裸にしている。政府と旧幕府、どちらの目線で読むかで入り込み方が変わるかも。2018/02/27

みこ

7
明治新政府が脆弱でそれ故に旧士族が反乱を起こして・・・というストーリー自体は既知のつもりだった。そこを具体的にしかも事細かく記してくれた本。西郷という理想主義者にとって明治政府は規模も人心も器が小さすぎたのかもしれない。拙速な改革が混乱を招いたのか、それとも急速に旧社会を壊さなければ混乱が長引いたのか。結果論で論じても答えは見つかりそうもない。 ただ、第一章第二章のナイナイずくしで混乱する政府の様子は三谷喜劇で見てみたいと思ってしまった。井上ひさしの「国語元年」風に。2018/04/14

3
明治ヒト桁台の政治改革の解説本。「歴史教科書では描かれない」「明治政府が覆い隠してきた不都合な真実」と煽り文句こそはショッキングですが、歴史教科書で描かれないのはボリューム的な制約ではないかというような、大局の流れの中の途中経過や市井の些事の紹介が話題の中心なのであります。一方向的に近代化を進めたように思いがちな明治維新ですが、実情は大違い。中央の政府は人材不足、地方は上から下まで抵抗勢力ばかりで、試行錯誤と政治的妥協と場当たり的な対処を繰り返し、まさに綱渡りの連続だったという維新政治の顛末。星4つ。2021/06/26

2
約3年ぶりの再読。やばい、前に読んだはずなのにほとんど覚えてないよ…。今回、再読して印象に残ったのは旧幕臣や東京市民=江戸っ子による徳川時代ノスタルジー。「薩摩魔・長州藩が幕府に取って代っただけに過ぎない」「明治政府は江戸時代を不当に過小評価している」「江戸の制度や文物が破壊された」等々のまるで実情に合ってないのに分かりやすくてやたらに吹聴されがちな俗論がいったいどこから出てきたものか、納得できたのであります。それにしても、よく売れるからといって捏造記事を書きまくる新聞……それは官憲に弾圧されるはずだあ。2024/03/06

takeya

1
西郷隆盛の動向を中心に、西南戦争終了までの明治史を概観する。 現代でも財務省と各省の予算を巡る対立は良く聞く話ですが、明治初期にもあったんですね。 歴史は繰り返すってベタな言葉ですが、その通りだなって思います。 今年の大河ドラマは西郷隆盛ですが、島津久光との対立、大久保利通との決別、征韓論などが待ってます。 そこをどのように描くのかこれを読んで楽しみになりました。2018/02/27

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