内容説明
文芸編集の詠見は、作家で妖怪の六道先生を担当中。相変わらず新作立ち上げに難儀していたところ、六道の書いた昭和回顧の随筆が評判に。そこで詠見は、六道の過去を巡ることで新作の着想を得られないかと思いたち?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐島楓
49
おやおや、これでシリーズ完結かぁ……何となくふたりの関係の進展を望んでいたのだが、叶わなかったのは少し残念。あくまでも仕事上でのパートナーということで、こちらのほうが大人だわ。新しいシリーズを期待しております。2018/07/25
はつばあば
47
無から物語を綴る作家六道。六道を支え励まし作品を世に出す編集者の詠見の並大抵な協力というか援助?。この六道さんが和装の似合う見目麗しい若者だったからこそ・・。どっかの市長のようににやけた狒々爺の風袋だったら?。がしゃどくろとは言わないが川端康成のようなキリギリスに似た瘦せっぽちの作家さんだったなら?。ここまで一生懸命になっただろうか(笑)。まぁ良かった良かった。人も妖も寿命があって・・自分だけいつまでも若いままで、死ねないって結構辛いでしょうしね。作家さんも編集者さんも大変な仕事です。本の出版、感謝です2023/01/21
ネムコ
35
「消えずの行灯」が切なかった。活字離れの現実の中で出版社の悲哀。もっと続くと思ってましたが、ここで終わるのが最善かもしれません。良いシリーズでした。2018/07/19
アズマ
32
これで終わってしまうのが残念です。六道先生の正体は意外だったけど詠見の情熱や真っ直ぐさが眩しいです。2019/12/19
スズ
31
相変わらず原稿が遅れっぱなしの六道先生に頭を悩ませる担当編集の詠見。そんな中、先生の書いた昭和回顧録風のエッセイが人気を呼び、先生の半生を描いた自伝的小説の企画が立ち上がるが…。妖怪として生き、小説家として生きてきた六道先生の足跡を辿るような物語で、新たな妖怪の巻き起こす事件もやはり面白い。己の過去と向き合い心が揺れ動く六道ですが、強いが一人ぼっちだった『彼』と、どこまでも「先生!」と追いかけてくれる詠見と出会えた六道との差が、あの結末に導いてくれたんだろうと思いました。続きも見たかったが、これにて終幕。2019/09/08