新潮文庫<br> 私の恋人(新潮文庫)

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新潮文庫
私の恋人(新潮文庫)

  • 著者名:上田岳弘【著】
  • 価格 ¥440(本体¥400)
  • 新潮社(2018/07発売)
  • ポイント 4pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784101212616

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内容説明

一人目は恐るべき正確さで世界の未来図を洞窟の壁に刻んだクロマニョン人。二人目は大戦中、収容所で絶命したユダヤ人。いずれも理想の女性を胸に描きつつ34年で終えた生を引き継いで、平成日本を生きる三人目の私、井上由祐は35歳を過ぎた今、美貌のキャロライン・ホプキンスに出会う。この女が愛おしい私の恋人なのだろうか。10万年の時空を超えて動き出す空前の恋物語。三島賞受賞作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

扉のこちら側

60
2018年72冊め。空港でフライト待ちに新潮文庫というだけで購入した。薄いし恋愛小説かと思ったら純文学であった。クロマニョン人、絶滅収容所で死んだユダヤ人、現代の日本人と転生している主人公の語りが妙にはまる。10万年の時空を旅する、しかし「行き止まりの人類の旅」。我々に四周目は訪れるのか。2018/03/13

えりか

50
クロマニョン人、ユダヤ人、二つの前世の記憶を持つ男が10万年の時を越えて、夢にみてきた愛しい恋人と出会うロマンチックな物語。と思いきや、もっと壮大な物語。私たちは「人類の行き止まりの旅」の三周目の途中にいる。原始人が各地に広がるまでが一周目、原爆投下までが二周目、そしてWindows95の誕生からが三周目。今の旅はAIが人類を越えた時点できっと行き止まる。繰り返される旅。発展は同時に衰退を意味する。行き止まりを悲観してはいられない。これは人類の宿命だと思う。願わくは私たちに四周目の旅が訪れることを。2018/02/10

ピロ麻呂

40
アメトーークの読書芸人で紹介されていた作品☆難しかった(^_^;)自分の読解力が乏しいのかな?とりあえず、人類が様々な苦難を乗り越え様々な歴史を辿って今の私たちがあるのだと感じました。2018/01/31

kasim

38
異常なほど高い知性を持った特別なクロマニョン人、収容所で亡くなるユダヤ人、現代の日本人と三度生まれ変わる「私」が求め続ける恋人。背景にあるのは、人類史が三区分でき、AIなどテクノロジーが成長しきった今が三つ目の転換点ではないかという思想のようだ。その真摯さは分かるものの、興味深い設定を生かしきれず、物語というより思考を生煮えに供されたような感じ。大局的な視点に対する永遠の恋人という個人的な部分に広がりがなく、肝心の恋人も対話する他者というより主人公の理想を投影する鏡像のようなのはもったいない。2021/06/14

ω

34
新進気鋭感( ^ω^ ) 「10万年の時空を超えて動き出す空前の恋物語」1人目の私は頭脳明晰クロマニョン人、2人目の私はナチに虐殺されるユダヤ人。3人目の私は遂に恋人に出会っちゃう井上由祐。何が良いって、私の恋人らしきキャロライン・ホプキンスが居るお陰で、お先真っ暗なこの世が明るく見えること。我々が行き着く先をぶっ壊して。躊躇なく粉々に踏んづけて。私からもお願いしたいω2020/06/23

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