内容説明
東南アジア「最後のフロンティア」、ミャンマー。
その実権を握る者は、いったいどういう人物なのか?
民主化、市場開放の行方は??
ミャンマー、ノーベル平和賞受賞者のアウンサンスーチーが実権を握る新政権が誕生した国。長きにわたる軍事政権からの転換により、
民主化だけでなく、東南アジア「最後のフロンティア」として経済の伸張にも目が注がれている。
軍事政権の度重なる弾圧に耐え続けたアウンサンスーチーの人気は、もはや宗教的な崇拝に近い。だが、外交関係者からは「頑固」との声も漏れる。
その力量は、まだベールに包まれている。
日本、英国、ミャンマーで彼女の知人や友人を訪ね、知られざる素顔に迫り、四半世紀に及ぶ国軍との「権力闘争」の行方を占う!!
一人の女性は、偶像(アイドル)を経て国家の頂点に立った。
新たな独裁者か、偉大な改革者か!?
元駐ミャンマー大使も称賛するジャーナリストの取材力で迫る!!
【目次】
序章 英雄か、独裁者か
第一章 闘争の幕開け
第二章 日本軍が育てた英雄
第三章 英国とミャンマーの狭間で
第四章 NLD結党秘話
第五章 自宅軟禁
第六章 解放
終章 最後の闘い
あとがき
※本書は2017年2月2日に配信を開始した単行本「ミャンマー権力闘争 アウンサンスーチー、新政権の攻防」をレーベル変更した作品です。(内容に変更はありませんのでご注意ください)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hk
16
ミャンマーではブリテンにより恣意的に引かれた国境線の中で100以上の異なる言語が飛び交う。そんな地勢で民主政体を推し進めればどうなるか?イラク、リビアの例を見るまでもなく明らかだろう。トクヴィルのいう「多数派による専制」のお出ましだ。宗教的に少数派であるムスリムでなおかつ少数民族であるロヒンギャへの弾圧が取り沙汰されているがこれは民主政体の弊害以外の何物でもない。ひいてはこれがブリテンによる分断統治の置き土産であり、ブリテンこそがこの地を民主政体不毛の地にした張本人だ。彼らはどう落とし前をつけるのだろうか2018/03/30
ののまる
7
なるほど〜 スーチーさんがいま何かと難しい立場にいるのがよくわかる。2018/09/30
月をみるもの
5
古処誠二のビルマものの後日譚としてよむ。自分が大学生だった時、ほんのわずかだったけどスーチーも京都にいたのだなあ。。2017/12/18
Humbaba
4
情報を封鎖しても、それが功を奏するケースばかりではない。それどころか、封鎖したという事実そのものが新たな情報となってイメージを悪化させることもある。技術が発達すれば一部の人間がコントロールできるものにも制限が生まれてくる。それを理解しないで無理やり押し通そうとしても、軋轢を生むだけの結果に終わる。2017/06/12
スプリント
3
信念の政治家アウンサンスーチー氏の半生の中で政治家として活動する前について詳しく知らなかったので勉強になりました。今後、憲法を改正して彼女は大統領の座につくのでしょうか?2017/03/28