内容説明
誰も予想できなかったトランプ大統領誕生。
その陰にはこの人物がいた。
米海軍→ハーバードビジネススクール→ゴールドマン・サックス→メディア業界→極右サイト・ブライトバート会長、そしてトランプ陣営の選挙参謀、政権で主席戦略官兼大統領上級顧問となるも突然解任――。
ネットメディアを過激な攻撃兵器にして、極右ポピュリスト、オルタナ右翼と批判されながらも、主要メディアに浸透し国民世論を動かしたこの男とは何者なのか?
本書は数年間に及ぶバノン本人および周辺取材、大統領選の全過程への詳細な取材を通じて、アメリカを揺るがしたこの「事件」の背後に存在する驚くべき地殻変動を示唆する渾身のノンフィクション。
トランプを激怒させ、バノン解任の一因になったともいう衝撃の書。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
BLACK無糖好き
12
スティーブ・バノンの内面に迫る渾身の作品。幼少期から伝統主義的カトリシズムの影響を受け、二十世紀初期のフランスのオカルト信仰者にして形而上学者のルネ・ゲノンの伝統主義学派の思想などに導かれたようだ。『フォース・ターニング』については特に触れられていない。◆一方で、本書のハイライトは、ロバート・マーサーの存在を詳らかにした章ではなかろうか? ヒラリー・クリントンを失墜させるために、フライトバート・ニュース、保守系調査集団「政府アカウンタビリティー協会」などへ資金を援助したこの人物のキャラクターも強烈すぎる。2018/05/01
田中峰和
4
トランプをナショナリストに仕立てたバノンは、世界的な右傾化演出に寄与している。英国のEU離脱、安倍政権の極右化にも彼の影響が大きい。ではバノンの思想背景を形成したのは何か。イラン・アメリカ大使館人質事件当時、彼は湾岸勤務の海軍士官だった。そのときにカーターがみせた女々しい弱腰と無能ぶりがバノンを民主党嫌いにし、国家主義者に目覚めさせた。一方、バノンと出会うまでのトランプの迷走ぶりも有名だ。オバマの出生問題を追求したトランプは、パーティのスピーチでオバマに大恥をかかされて以来、復讐心に駆られていたのだろう。2018/07/09
Ohe Hiroyuki
2
かつてトランプ氏の選挙参謀に急遽就任し、トランプ政権の首席戦略官にまでなったバノン氏を題材にし、先のアメリカ大統領選挙についてジャーナリストが記した一冊。▼本書を読めば、いかにトランプ氏が、いわば「強い大統領」になろうとしていたか、クリントン氏がいかにアメリカの「ある層」に嫌われていたかが良くわかるであろう。▼「大統領になる」のと「大統領である」ことの違いもうかがい知ることのできる内容となっている。▼本書にはバノン氏の幼い頃のエピソードがあり、ある意味「アメリカ人」とはどういう者かを学ぶ機会にもなる。2018/05/23
yacchan2018
0
バノンという男とトランプ政権の係わりが良くわかった。2018/04/01