内容説明
外交カードとしての核。抑止力としての核。ビジネスとしての核。
核兵器をめぐるさまざまな実情や、核兵器誕生の歴史を知ることで、
核なき世界への長い道のりの1歩になる!
2017年11月、北朝鮮は核弾頭装着が可能とされた新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射実験を行い、過去最高高度およそ4500キロまで到達。金正恩委員長は「核武力完成の歴史的大業を果たした」と実験が成功に終わったと宣言しました。また、アメリカの北朝鮮研究機関が、もしも北朝鮮が核攻撃を仕掛けてきたら、その死者数は210万人になるという試算結果も出しています。
相次ぐ北朝鮮の核実験やミサイル発射実験。核の脅威となる北朝鮮の現状とは!?
日本にとっても身近な問題となっている“核兵器”問題を、池上さんが基礎知識からわかりやすく解説。
核誕生の歴史から、核兵器が外交カードになってしまったこと、その技術をビジネスにしようとしている国などを明らかにしながら、世界から核兵器がなくならない深い事情を伝えます。
核なき世界は実現するのか?
池上さんが本書に込めた思いとは!?
知られざるさまざまな事実や現在の情報をわかりやすく解説し、私たちに、今、大事なことを投げかけます。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ニッポニア
51
実に明確に、核兵器の現状について解説してくれます。池上さんの本は概論を学ぶ上でとても役に立ちますね。今後も利用していきたい。核兵器は悪魔そのものだな、と改めて思う。以下メモ。北朝鮮の核武装に対し、トランプ大統領が反応したことにより、核の脅しが成功したことになった。原爆が爆発したら、熱線、爆風、放射線。核分裂は「地上に太陽を作り出す」こと。電磁パルスで社会は壊滅する。ドイツで原子核分裂が発見されたために、なくならない。核兵器を使えば、核兵器を使われ結果、壊滅するという相互確証破壊。2023/01/21
mintia
12
核兵器について知らないことが多かったので勉強になった。日本は被爆国なので核廃絶を訴えるべきなのに、アメリカの核の傘に入っている。今後、核兵器について深く考えていきたい。2019/04/19
赤い熊熊
8
核兵器の脅威が俄かに増してきた今読むと、正直、綺麗事だけではこの脅威はなくならないだろうと改めて思います。核兵器の脅威なんてものは北朝鮮以前から中国が日本に突きつけてきたことですね。中国がさらに海洋侵略でもしたなら、いつ打たれるかわかったものではないです。2018/07/23
ブラック ミッフィー の チョコちゃん
7
現在世界には 15000発という核爆弾があるという事実。 核を自国が撃てば他国も撃つと両国滅びるからどっちも撃て ないという 核の抑止力という訳のわからないやり取り。 狂気じみてるとしか思えない話しが沢山あるのがわかった。 核をもたない日本はどんどん 核反対の声をあげなアカンの にそれが出来ないのは、日本はアメリカに核の傘に守られて いるからと・・・・みんなで せーのっで核を手放さないと 無理なんだろうかなあ。 やっぱり核のボタンを持つ人間は みな悪魔との思想を持たないとダメだとおもう。2018/08/15
ねこっく
4
5月から平和報道により積極的に携わっていくため、読了。核兵器を取り巻く世界の現状から、はじまりの歴史まで大きな流れで概略を押さえられた良著。やっぱわかりやすさでいうと、池上彰の右に出る者はいない。北朝鮮が核によりビッグマネーを得ている可能性が大であることや、日本が戦前、密かに核開発を行っていたことなど、目から鱗の情報も盛り沢山。最終章では、非核地帯が南米に設けられているという明るい事例を取り上げ、核なき未来へ向かえる心境となった。文量的な物足りなさはあるが、初心者にとっては有り難い解説本である。2023/04/17