内容説明
この法律で、インターネットとデータの世界は、根底から書き換わる――。2018年5月25日についにEUで施行された「一般データ保護規則(GDPR)」とは一体何で、なぜいま世界を揺るがしているのか? インターネットの世界を根底から変えるというその本質を、メディア学の泰斗が緊急出版!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
104
基本的には今後のかなり大きな問題点について述べられています。欧州でのGDPRでの規制が今後のインターネットを含めた全世界に与える影響はかなり大きなものとなることは明白です。先日も記事で見たのですがEUが5千億円強の制裁金をGoogleに課したという記事を読みました。若干論点が明確でないところもあったりしてもう少し問題点を絞ったほうがいいのかもしれません。ただこの分野の啓発的な位置づけはあると思われます。2018/08/04
se1uch1
83
2016年の米大統領選挙中に英ケンブリッジ・アナリティカがFBを経由して8700万人の個人データを不正に利用したスキャンダルがGDPRを一夜にしてデータ戦争に立ち向かうヒーローに押し上げた。且つて東ドイツが西側世界から東ベルリン市民を守る壁を作ったように、GDPRはGAFAからEU市民を守るためにサイバーの壁を作ったとのこと。GDPR自体の解説よりも、何故それが必要かのストーリーが中心で、流れを理解するのに役立った。データの死か、プライバシーの死か、はたまた両方解決するのかしないのか、まだ想像がつかない。2021/12/31
yo
23
【個人データ保護の新機軸であるGDPRについて検討したかった……】主張の根幹が不透明である。Facebookが無料でSNSを提供する裏で、取得した個人データを売買することで暴利を貪る、という「プライバシーの死」「データ売買の時代」を描き、そこに欧州で施行されたGDPRがどう「データ売買の時代」を切り崩すかを検討しているように見えるが、結局ハクスリー型の監視社会の到来を告げて終わる。話の運びに一貫性がなく、論旨が見えにくいせいで、結局GDPRがどんな力を持つのかよくわからずに終わった。2020/01/11
hk
23
「プライバシーという概念はここ100年程度のものにすぎない。個人情報を解放することによって世の中はさらに利便性を増す」これが目下我が世の春を謳歌しているITジャイアントたちの言い分だ。しかしグーグルやFBなど一握りのIT企業による個人データ独占は、選挙結果を捻じ曲げたり世論を著しく歪めることが明らかになった。本書は「プライバシーの死か?ビッグデータか?」をテーマに議論を展開しているようだ。 …抽象的かつ衒学的な筆致が鼻につく。ルターの宗教改革とのアナロジーで現代を捉えようとしているが筆力不足感は否めない…2018/09/09
bakumugi
12
私の業務には関係なさそうだけど、そもそもGDPRって、何すか?…ってレベルなので、詳細解説本は避けるなかで見つけた本。多少流れが散漫で主題がぶれる気はするが大変興味深い内容だった。GDPR、完全法務マターってわけじゃないのね。先にハードル超えたら人や会社から大きなビジネスチャンスがありそうだな。そもそもどうしてGDPRの考えが出てきたか?常時つながる便利さを漫然と享受してるけど、いいのかな?大丈夫なのかな?ちょっとでもそんな思いがよぎったことがある人は読んでみてもいいかも。2018/12/05




